たけひろ

シェイプ・オブ・ウォーターのたけひろのレビュー・感想・評価

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愛の告白のシーンが映画的で美しかった。

ただ、とても楽しみにしていて、公開初日に観たにも関わらず、期待したほどにはエモーショナルな高まりを感じることが出来ず、無念。

アカデミー賞などでの高評価や、世間様での高い評判を目にすると、ついつい、己の感受性のほうに問題があるのかも、と疑ってしまう。

以下の全ては、あくまで個人的な好みにおける、たられば、の願望です。

たとえば、手話ではコミュニケーションを取れるイライザだが、言葉が話せず、内気な性格の為に、実は、親しい友人ふたりそれぞれとの関係で、思い悩んでいる。

さらには、強い繋がりを感じられるような、恋人の存在を求めている。

(バスタブでの自慰の描写により、性欲に関しては表現されていたけれど)

が、その願いは叶わず、恋人となる人物と出会える見込みも無く、深い孤独感に苛まれており、生きることへの希望を見い出せなくなっている。

故に、自死への想像も膨らんでしまっている。

つまり、絶望。

そんなイライザの背景を詳細に描いた上で、彼との運命の出会いがあったなら、どうだろうか。

さらに、イライザと彼とのコミュニケーションの中にも、何かしらの強い衝突が生まれてくれていたなら、もっと、ぐっときたのかも。

異文化交流、というか、異生物交流、のようなものから起こる、強い衝突。

或いは、強い諍いごとが。

何故なら、イライザと彼が出会えたことは「運命」なのかもしれないけれど、お互いの気持ちが通じ合うのが、あまりにもすんなりだな、といった印象を抱いてしまったから。

身も心も、ふたりの距離が近づくまでの間に、もっと、努力というか、苦心をして、葛藤があって、障害を乗り越えた上で、結ばれて欲しかった。

そのほうが、ラストの、水の中での交わりが、より切なく、より美しく、より大きなカタルシスを生み出したのでは、と感じてしまったのです。

ちなみに私は、トイレのあとに手を洗います。