ひしくい

シェイプ・オブ・ウォーターのひしくいのレビュー・感想・評価

4.0
アバンタイトル素晴らしすぎでは!? この映画のトーン、古いおとぎ話のようでいて現代的で残酷でありながら美しくもあるそれを完璧に表現している。

監督は「美女と野獣」の話が好きではなくて(人は外見じゃないっていうテーマならなんでヒロインが美しい処女で野獣はハンサムな王子様になるのか?)、だから今作では主人公は中年の女性で日常的に自慰をするし怪物は怪物のままにした、とパンフで話している。なんとまあ安心感の持てるコメントなのか……!
とはいえイライザも魚人に美しさを感じていたようだし、美の基準が人それぞれという話で、外見が全く関係ないというわけではないと思うけど。

"Unable to perceive the shape of You, I find You all around me. Your presence fills my eyes with Your love, It humbles my heart, For You are everywhere..."

不定で既存のshapeにはまらないのは、ふたりの愛のありかただけではなくて、各キャラクターの描きかたにも言えることかなと思う。みんなどこか社会的に「こうあるべき」とされるshapeではない。物語上悪役のストリックランドも。
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