にゃかしま

シェイプ・オブ・ウォーターのにゃかしまのレビュー・感想・評価

5.0
ギレルモ・デル・トロ監督による、(微グロ)ロマンティック(異種間)ラブストーリー。

監督の持ち味が炸裂した傑作。

アカデミー賞の最有力候補と言われているのも頷けるとても良い作品でした。

ストーリーは、この作品のレビューでよく目にする文言ですけど、ホント「美女と野獣」ならぬ「女と半魚人」。笑
サリー・ホーキンスはね、整ってるけど美女では無いと思うので。(劇中にもそのように示唆するセリフがある)←酷い

「パンズ・ラビリンス」を見て思いましたが、ギレルモ・デル・トロは悪役をトコトン胸糞悪いキャラクターに作り上げるのが上手いです。
今作での絶対悪はマイケル・シャノン演じる悪い政府の役人。
マイケル・シャノンの悪役顔が高じて、最高に胸糞悪かったです。

あと、これも「パンズ・ラビリンス」を見て思いましたがギレルモ・デル・トロのクリーチャー愛が凄い。
主人公が恋に落ちる半魚人の造形が絶妙。
ちょっと気持ち悪くて、一度見たら忘れない程のインパクトがある。
それでも登場からすんなり物語に馴染んでくるのは、説得力のある造形のお陰だと思います。本当に存在しそう。

障害者(主人公)、ゲイ(主人公の親友)、黒人(主人公の同僚)といったマイノリティを主なキャラクターとして出してきたのも印象的。
時代背景的にもストーリー的にも何ら強引ではない出し方なので、賞レース狙い感が無くて好感が持てます。

他のアカデミー賞作品賞のノミネート作品は「ダンケルク」以外未鑑賞ですが、作りたいものを徹底して作ったという監督の作品愛がヒシヒシ伝わってくるこの作品が是非、作品賞を獲って欲しいと思います。授賞式はもうすぐ。楽しみですね。
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