物語は王道だが、設定はデル・トロ流。
美男美女のラブストーリーなんて興味ない。
さすがデル・トロ監督。そうでなくては！
物語の中心は”持たざる者たち“。
声を失った掃除のオバさん、同性愛者、黒人に外国人…。
ラブストーリーでもありながら、白人の人種差別に対する反逆の物語でもある。
だからこそ彼らの心の動きに強く共感出来る。
…そして彼らの中心に居るのが半魚人（ダグ・ジョーンズ！）
動物的ながら観ているうちに美しさを感じる程の造形は息を飲む程。
ここはまさにデル・トロ監督の真骨頂。
声を失ったヒロインと言えば『リトル・マーメイド』。
半魚人という”獣“と人間の恋愛と言えば『美女と野獣』。
ディズニー作品に対しても一石を投じているところも面白い。
いいぞ！もっとやれ！
主演のサリー・ホーキンスはとにかく可愛い！
声が出せないという難しい役柄なのに、表情だけで見事に感情を表現している。
内向的でナイーブな性格かと思いきや大胆な一面もあり、ずっと目が離せない。
是非アカデミー主演女優賞を獲って頂きたい。
『スリー・ビルボード』と同じ”FOX Searchlight“作品なのでパンフレットも読み応え十分。
町山智浩さんによるデル・トロ監督のインタビュー記事もあるので買いだと思います。
