naoズfirm

シェイプ・オブ・ウォーターのnaoズfirmのレビュー・感想・評価

4.2

異色の恋愛映画🎬

ストーリーはが米政府に捕らえられた半魚人と、掃除婦として働く口の利けない孤独なヒロインの人種を超えた愛を描いた作品でした。今作は第90回アカデミー賞最多4冠を受賞し、ゴールデン・グローブ賞2部門受賞、ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞など数々の賞を受賞しました🏆ストーリー、キャラクター、全てにおいて、、誰にも邪魔されない愛の形というのがテーマだと感じました。バケモノとの愛物語といえば美女と野獣をイメージしますが、この物語はディズニーが描いてきた美しい夢物語と真っ向から対峙する、残酷な現実とはかない夢との境界線ゆらゆら物語です。

第二次世界大戦後の冷戦下、ソ連との開発競争真っ只中の時代で、正確に繰り返す毎日を過ごしている、話すことができない女性と、アマゾンから発見され原住民から神と崇められた半魚人。言葉を持たない二人が心で通じ合っていく様を若干のダーク感とファンタジー色で彩られ、当時の娯楽を随所にちりばめることで、その時代が生んだエンタテインメントをリスペクトしながらも、あの時の排他的風潮が繰り返されているという警告を促すといった社会へのメッセージ、それに対する答えを2人の愛で示した、アカデミー賞作品にふさわしい作品でした。あらゆる弱者たちが、愛を知り、愛を失い、愛を育んでいくといった様々な愛が描かれていました。水の形というタイトルであるように、きまった形を持たない性質の水と同様に、愛もまたそれぞれの形を示し形成されていくものであり、それを歪だからとか変な形だからとか他者から何か言われるものならお門違いもいいところだと。水の中で浮かびながら抱き合う二人には圧力もなければ重力もない。そんな優しい愛で包んだ映画です。
naoズfirm

naoズfirm