ろ

シェイプ・オブ・ウォーターのろのレビュー・感想・評価

4.6

こんなに雨が降るなんて。
晴れていた昨日が嘘のよう。
水たまりじゃないところを探すのが大変な今日は、この映画を観るのにぴったりの日だ。


いろいろと不安で、ネタバレ有りのあらすじをじっくり読んだ。それでも怖かった。とにかく大好きなサリーホーキンスを観たいという気持ちに突き動かされて行ってきました。


幼い頃から話すことができないイライザ。
ある日、彼女が清掃員として働く研究所に不思議な生き物がやって来る。”彼”に魅了されたイライザだが、彼の命の危機が迫っていることを知ってしまう。

隣人の部屋ではクラシックムービーが流れ、座りながら歩きながら音楽にあわせてタップダンスを踊ってみせるイライザ。そんな穏やかで明るい彼女が目を潤ませ、力強い手話で「彼は本当の私を見てくれるの」「彼を助けたい」と訴えるシーン。
「でも彼は人間じゃなくて動物だろ」という隣人に対して、「彼を助けなければ私たちは人間じゃないわ」と畳みかける。彼女の心の叫びにグッとくる。

ミドリのドロップを頻繁に食べる警備員もなんだか憎めない。
彼には愛する家族がいて、新車も買う普通の人。
研究対象がいなくなってしまったことで、「何が何でも捕まえてやる」「俺は失敗しない」とどんどんプレッシャーに押しつぶされ自我を失っていく。
そんな彼が「この生き物はアマゾンで神として崇められていたらしいが、人間の方が神の姿に近いのだ」というシーンが面白い。
人間の方が偉いと驕っていた彼は結局、自分自身さえも掴むことが出来なかった。目に見えない大切なものを見つけたイライザと違って。


個人的には、マズイマズイと言いながら、冷蔵庫がライムパイだらけのおじいさん(イライザの隣人)がすごく好き。
「やっぱり僕には君しか話し相手がいない」とイライザに言っていたけれど、私が新しいお友達になってあげたい。きっと孤独を分かち合えるし、ライムパイも一緒に食べる。


劇場を出ると、シェイプオブウォーターが作品賞はじめ4部門で受賞していてちょっと胸が熱くなりました。

サリーホーキンス、この先ずっと追っていきたいです。


You'll never know just how much I miss you




( ..)φ

フライヤーの鱗の模様が青海波に見える。
無限に広がる海が平和であるように、2人に幸あれ。








※コメント欄 自主閉鎖中m(__)m
ろ