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シェイプ・オブ・ウォーターのSのレビュー・感想・評価

3.8
水に形はない、愛にも形はない。「シェイプ・オブ・ウォーター」という題名を、ラストにこれでもかと噛みしめました。

異様な雰囲気の中で芽生える異様な見た目の生物との異様な関係。異質に溢れる世界だからこそ、ただ一つ確信を持ってそこに存在するのが「純粋な愛」。絶望とも希望とも言える話。

一貫して「異質」を貫く監督のオタク魂に震えた。【結局は顔】という結末が多い中で信念にも似た絶対に異生物を貫く!っていうギレルモ監督のオタク魂に拍手です。

アカデミー賞を取ったということで、人がたくさん入る前に見ておくか〜と急遽観に行きましたが本当に見てよかったです。賛否ありますが私はこのラストで良かったと思います。

障害、同性愛、女性、肌の色、役職、立場、生まれ、見た目、種族、異生物。

この映画の中には様々な差別や偏見があった。世の中に溢れる差別。でもこの二人には無かった。見た目が違っても、人間じゃなくても、声が出なくても、それでも愛はそこに存在して、形がなくて色んなものに変形して包み込んで溺れて、それは水の姿に似ている。

サイコーか!!!!!!!!!!!!
いや、サイコーか!!!!!!!!!

エンドロールを眺めながら、ずっとこんなことを考えてました。シェイプ・オブ・ウォーター。見る前は「水の形?変なタイトル〜」って思ってたけど、そういうことか〜って思ったら笑顔で終われた。ひたすら気持ちの良い余韻。

パンズラビリンスが少し苦手でして、あのポスターからは想像できなかったグロでやられてしまいビクビクしていましたが今回は平気でした。話も前回とは違いとても私好み。異生物だからこそ「声がなくても愛は伝わる」っていう、ありきたりなテーマが逆に良かったです。

ほぼ声なしで演じるサリーホーキンスすごい。セリフはなくてもちゃんと伝わってくる。
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