ギレルモ・デル・トロがジャンル映画で切実な愛を語ると
ジャン＝ピエール・ジュネmeets初期のティム・バートン的ステキな大人のファンタジーに仕上がりました
身体障害者、セクシャルマイノリティー、スパイ、そして珍獣
ドブネズミみたいに美しくなりたい
写真には写らない美しさがあるから
そんなリンダリンダな美しさを湛えた者たちの結託
あるいは「美女と野獣」へのアンチテーゼ
あるいは現代の政治に対する湾曲的な批判
それらをまるっと寓意という幸福な虚構に包み込んで
普遍的な愛の物語へと見事に昇華させております
本作のクリーチャーを演じたダグ・ジョーンズ
『ヘルボーイ』の半魚人エイブや『パンズ・ラビリンス』のペイルマンなど
僕がデル・トロ作品で魅了されてきたキャラクターを彼がすべて演じているということを改めて知りまして
優れた造形に命を吹き込む彼の身体操作に感服いたしました
