“You’ll never know”
言葉を失くした女性と、言葉を持たないクリーチャー。孤独なふたりの愛の物語。
なんとも綺麗で芸術的な映画です。見事でした。
作りたい映画を作った、オタク代表映画監督ギレルモ・デル・トロ。集大成ですね。
相変わらず絶妙なバランス加減。
孤独な主人公イライザの生活リズム、こんなシーンあるのって一瞬思うけど、それが孤独を示しているわけで。
親友と呼べる隣人ジャイルズも、同僚のゼルダにも孤独感というものがあり、それをそれぞれの形で表現していました。
そういった意味ではいちばん満たされていたのは、今回の悪役ストリックランドだった。だけど彼がいちばん不満そうでしたね。
演出も脚本もこのバランス加減が見事で最高でした。
ギレルモ監督はただのファンタジーやフィクションにせずに、そこにわかりやすい現実を放り込むことでキャラクターの魅力とストーリーの持つ意味合いを表現することが上手だなと思います。
今回もまた、冷戦下という時代背景と、クリーチャーというフィクションの存在とを融合させて自分の表現したかったことを実に見事に昇華させていました。
シェイプオブウォーター。何回読んでも良いタイトル。惚れ惚れするセンス。
You’ll never know the shape of water. 水の形などわかりようがないでしょう。っていう直球のメッセージなんですよね。
で、僕たちが水の形がなんであるかを知り得ないように、どれほど相手を愛しているかなんてわかるはずもない。だけど愛してることはわかる。そういう流れであの歌につながっていくんだなーと。
いいセンスだ。と言いたい笑
美術賞、そして作曲賞も納得のディテールでした。拍手!!
パシフィック・リムの続編も楽しみにしてまーーす!