き

シェイプ・オブ・ウォーターのきのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞受賞おめでとうございます!
予告が流れ始めた頃から気になっていた本作、やっと見る事が出来て嬉しいです。
以下ネタバレ。












なんて美しくて、人間臭い、それでいてお伽話のようなステキな映画なんだろう。
誰かが「美女と野獣の最後の展開に中指立てたくなるタイプの人向けの映画」と言っていたが、それは本当に滅茶苦茶わかる(笑/なお私は美女と野獣は好きです、最後の展開以外は…しかしあのラストは単なる結果という割り切りはしている)。
主人公は美女ではないし、恋のお相手はキラキラな王子様でなく変わった見た目の半魚人。
加えて主人公は声が出ないという事で終始手話での会話。
しかしその設定があるからこそ、劇中での物音・靴音・生活音が活き活きと聴こえて、かえって没入感を与えられた感じがありました。
また、主演の女優さんの大きな目が表情豊かで素晴らしい。喜び、悲しみ、愛、欲情、あらゆる人間らしい感情がぱっと見て観客に伝わる表現力に鳥肌が立ちました。

あとやっぱりこれまた美女と野獣との比較みたいになってしまいますが、
愛の形はそれぞれとはいえ、よくぞあの2人を身体の関係に至らせてくれた!ありがとう!デルトロ監督ありがとう!
散々映画で描かれてきた、まさに絵になる白人の美男美女が男の欲を押し付けるだけの醜いセックスをしている裏で、美女でない女性と人外が芸術のようにそれでいて生々しい愛の行為を行っているという対比が素晴らしく痛快でもある。

また本作は主人公たちの男女の愛だけを描いてるのではなく、マイノリティ、差別心・虚栄心の醜さ、見た目の美しさに惑わされる事の危うさ、相手をありのまま受け入れる事の偉大さ(様々ありますが猫のシーンはショックでした…笑)…
様々なものをぎゅっと詰め込んで、綺麗にまとめているあたりは流石だなと思いました。

そうくるか!という美しいエンディングシーンまで、終始素晴らしい映画。
案の定泣き濡れました。
き