Screen7

シェイプ・オブ・ウォーターのScreen7のレビュー・感想・評価

4.3
第90回アカデミー賞作品賞 おめでとうございます!
冒頭の語り手の言葉が御伽話のよう。
けれども、人魚姫でもなければ美女と野獣でもない、新しいラブストーリー。
王道なラブストーリーの話の流れってワンパターンじゃないですか(私は大好きだけど!)それらを有形と考えると、こちらは無形。
"shape of water"という題名の通り、無形だけども最高に美しく純粋な愛がこの物語にはありました。

なんだろう…「明日2回目観に行きたい!」とはならないけど「わぁ観てよかった」と思える魅力がこの作品にはあると思います。
メッセージ性が強い作品だからか、重み・鑑賞後の余韻がすごい。
心に響く名台詞のオンパレード!

ヒロインのイライザは喋れないけど、すごく大切なことを手話で伝えてくれました。
声を発して話をすることができなくても、彼女の表現力は話せる人以上のもの。
特に印象に残っているのは、「彼を助けなければ私たちも人間じゃないわ」と強く訴えかけるシーン。あのシーンの感情をぶつけている様子のイライザの姿は迫力が凄かった…!
惜しくも主演女優賞には選ばれませんでしたが、サリー・ホーキンスの演技力凄い。

視覚的にも楽しめる作品で、色使いが最高に素敵でした。
こんなにも緑色が美しいと思う映画、今まであっただろうか。
清掃員のイライザの制服、カチューシャ、建物の壁、不味いパイ、ストリックランドの車などなど。沢山の緑色のもの。
至る所まで計算尽くで素晴らしい。。
最初の水中のシーンから心を奪われました。
なんて不思議で美しいのだろう…と。
私はこの瞬間から今作の世界観に魅せられました。

音楽もとっても素敵でしたね。
気がついたら音楽が流れている感じ。
あのテレビ番組のタップダンスも最高で最高で…
いつの時代も音楽は人の心の癒しなんだな〜と改めて思いました。
好きなシーン 幾つかありますが、白黒になったシーンは鳥肌もん。
ここめちゃめっちゃ好きです!!!
是非劇場で観てほしい。
映画館の上にイライザの家がある設定なのですが、映画館内のシーンもいいなぁ…

R15も納得なそれなりに過激なシーンが何度かあるので「おお…」って思いました。コーンフレークの誕生秘話には苦笑いだし、ポテトを見ると思わず指のこと思い出してしまう…笑

内面モンスターのストリックランドが怖かった。自分の地位のためにエスカレートしていく行動が恐ろしかったです。
それに対して、外見はモンスターのようだけど、イライザの台詞「私は何?彼と何が違うの?」からも分かる通り、人と殆ど同じ存在の半魚人・アセット。
傷も治してくれて髪の毛も生やしてくれる。
彼って本当に神のようですね、というかリアルに神様だったのか…?

冒頭とラストシーンが繋がっているのも良いと思った理由のひとつ。
何気ない台詞に込められた意味を理解すると、なるほど〜とより深みが増す作品だと思いました。
改めてアカデミー賞4部門受賞おめでとうございます!!
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