ジャン＝ピエール・ジュネの『ロスト・チルドレン』を思い出す映像。
しかしやり過ぎだろうと思わずにはいられず、最後までそれは抜けなかった。
おそらく、他者とのコミュニケーションとはこんなもんじゃない。多分に一方通行で、ほんの少し通じたからと言って、それがゴールになるわけではない。
それはデルトロ監督も承知の上で撮っているのだろう。主人公の幼い頃に受けた心の傷がほんの少し伏線として張られている。
しかしだからといって...なのだ。
なにかにつけ『美女と野獣』と比較されるのだろうが、『美女と野獣』にある「最後にはイケメンかよ」っていういけ好かない要素がここには無い。
しかしそれ以前に、「野獣とは恋に落ちんだろ？」という大前提がどうしても崩せない。だって、人間なんだもん。
人を人と認めない差別と偏見という図式に当てはめるにはちょっと無理があるような気がする。
もっとも、ワタシの中に想像力を膨らませるだけの材料と資質が足りないといえばそれまでだが。
そうなのだろう。
ワタシにはまだ身に迫るほどのものが備わってないのだ。
「You'll Never Know」にグッとくるくらいではまだ足りないのかもしれない。
