劇場鑑賞【8】
『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督作。
本年度アカデミー作品賞・監督賞受賞!!
いやー、びっくり。監督賞は間違いないと思いましたがまさか作品賞までとは。
ファンタジーというか、モンスターが出てくる系統の映画が作品賞獲るってすごいことですよ!
私的には『スリー・ビルボード』推しでしたが、この作品が獲るのも納得。
とてもいい映画でした。
1962年の冷戦時代、政府の極秘研究所で働く清掃員のイライザと、そこに連れられて(というか生け捕り?)来た“半魚人”の愛を描いたファンタジー作品。
ほんとしっかりふたりの愛の物語なんですよね。
愛し合ってるからそーいう“行為”もする訳で、そこにもビックリ!
デルトロ監督はアンチ美女と野獣で、
「人は外見が大事じゃないと言いながら何でヒロインは美人の処女。野獣は最後にイケメンに戻るんだ?だからこの映画ではヒロインに自慰行為をさせた。中年の独身女性なら自然な事だろう?怪物も最後まで猫を食べるモンスターのままなんだ。」
と、言っています。確かに。
デルトロ監督らしく怪物の見た目もどこか可愛く見えるとかではなくちゃんと怪物だった!笑
言葉は喋れずとも心で繋がるふたりの愛が美しかった。
外見に頼らずとも愛することの美しさって表現できるんですね。
イライザの隣人を演じたリチャード・ジェンキンスの演技がこれまたいいんですよ。
この映画ではじめて知りましたが優しく味のある演技。イライザのよき理解者で彼自信ゲイで店のウェイトレスの青年に恋している。
サム・ロックウェルの演技が圧巻過ぎて影に隠れてますが、リチャード・ジェンキンスもいい仕事してましたね!
そして悪の権化のような男を演じたマイケル・シャノンの怪演。
差別を具現化したようなあの立ち振舞い、態度、観てて恐ろしかった。。
終盤になるにつれてイライザの衣装が赤くなっていきますが、赤は愛を表してるんだそう。
水の中で赤い服をきたイライザと抱き合う半魚人のポスター。
水に形がないようにイライザの愛もまた形をもたない特別なものなのかも。
観る人によって色んな受け取り方がある映画だと思います!
綺麗で切ない愛の物語。素晴らしい作品でした!