ちゃんとしてる。ちゃんとしてる映画ってすごく好きなのでシェイプオブウォーターも好きです。
物語の起伏もハッキリしてるし、キャラクター造形もみんな特徴たっていていいし、音楽と映像も綺麗。メタファーや象徴性なんかも読み取れる深さがあるし、結末の跡引く感じも映画ならではという感じで、かなり全体として卒がないな〜とおもいました。
イライザ（主人公）が魚人に入れ込むようになるきっかけがわからない、みたいな感想たまに聞くけど、そこは即わかる人と全然わからない人とで本当にわかれるのかもな〜。登場人物は全員（ストリックランドも含めて）異物感があって、自分の居場所を持っているようで持っていないような人たち、仮の場所にいるしかない人たちなんだろうな、ってなんとなく考えてます。ぼく たまに自分の部屋にいるのに「帰りて〜」とか思っちゃうことがあるんですけど、程度は違うだろうけどそういう感じ。だから、イライザは魚人が無理やりホームから引き剥がされたことにある意味自分を重ねたんじゃないですか？水と空気っていう住む場所の違いも、声の有無っていう違いに通じるような気もする。
対するストリックランドは、ずっと自分の場所っていうものを疑わずにきたんだけど、それが正しいのかわからなくなっていきている。でも信じ続けなければいけないとも思っている、すっごくしんどい人。もしかしたら、出会った場所とか立場とかが違えば主人公たちと仲良くなることもできたかもしれない。なんて思うと切ないですね。
切ないな〜。切ない映画でした。
