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シェイプ・オブ・ウォーターのtaruponのレビュー・感想・評価

4.0
サリー・ホーキンス演じる声が出せない女性が、アマゾンから連れてこられた不思議な生き物との声を介さないコミュニケーションで通じ合っていくのと、それと敵対するアメリカの軍部やソ連のスパイとの争いを描いている。
予告編をみて本編を観る前は、泣く映画なのかな?と思ったけれど、ほんとの最後の最後で目頭が熱くなったけれど私にとって泣く映画ではなかった。でも、すごく胸が締め付けられるように苦しかった。
私的には恋愛映画とは思えなかった。
いろいろなマイノリティ(異形のもの、障害者、有色人種、性的マイノリティ)がそれぞれ支えあい協力しあい、それでも最後は現実ではない閉じたファンタジーの中でしか幸せになれない。最後は美しくにある意味幸せであるはずなのに、哀しい気持ちでいっぱいになる。
イライザの部屋と不思議な生き物がいる研究室の中は、ある種すごくファンタジックな美しさを持つ空間。(オープニングのイライザの日常の描き方とかすごく素敵)そして対極にあるストリックランドの家庭が、いわゆるアメリカ絶頂期のホームドラマにでてくるような家庭であったり、彼の象徴がキャデラックであったり、その対比も面白かった。
そして、とにかくサリー・ホーキンスの体を張っての体当たり感が素晴らしかった。
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