ギレルモ・デル・トロ監督がアカデミーに輝いた純愛ダークファンタジーをやっと鑑賞。劇場で観たかった作品のひとつ。
レトロかつ耽美的な世界観だけど、東西冷戦という時代設定のなか、人種差別や性差別が当たり前に強く残る重苦しい空気感も。
恋愛とは無縁ながらマイノリティな友人達とルーチンを楽しんで生きてるイライザ。タップダンスをマネるシーンはかわいかった。唐突なバスタブでの自慰行為も含め「ありのまま」の姿が何故か「アメリ」を思わせる。
ほとんどのシーンが緑と青で彩られるなか、彼と出会ってイライザの心が色づく。ティールのキャデラックも印象的。ジャズやシャンソンなどサントラも良かった。
なぜ彼女は彼を恐れなかったのか、なぜすぐに好意を抱いたのか。この辺りの掘り下げはちょっと甘かった気もするが、
「彼は私を私として見ている。不完全なものとしてではなく、とても幸せそうに。」
この言葉に尽きるのだろう。
監督も言及していた通り、最後に”外見的にも美しく”なる「美女と野獣」とは違い、最後までそのままの姿で愛し合う二人。エロもグロも呑み込んで。だからこそモノクロのダンスシーンと食卓での食事は「人間様式」で違和感があった。
The shape of water
愛のかたち
美しいラストシーンでした。