塚本

シェイプ・オブ・ウォーターの塚本のレビュー・感想・評価

3.0
俺はいわゆる、“計算され尽くした”カラー・コーディネイトというヤツが、どーも苦手で人工着色料の毒っ気が“圧”となり、居心地が悪くなる….って言うかなんかもういらいらしちゃうんです(なので“計算され尽くした”色調をあざとくやりまくるティム・バートンなんかは大の苦手です)。

けどまぁ、そこんとこを差っ引いても充分楽しめる作品ではありました。
ジャンル映画というより、ひとりのチャームでファニーな女性の幸福物語って感じかな。

いちばん近いニュアンスの映画を挙げるとすれば「アメリ」ですかね。

イライザの日常に降り注ぐアレクサンドル・デスプラのアコーディオンの音色を基調とした、キッチュで楽しいスコアは「アメリ」での…多幸感溢れる、ヤン・ティルセンの楽曲を彷彿とさせてくれます。
ギレルモ・デル・トロはタランティーノと同じく映画(特にジャンルもの)への偏愛が行くとこまで行っちゃてて、血の代わりにフィルムが毛細血管まで流れている、超超超オタクなので、「シェイプ・オブ・ウォーター」という一本の映画にも、それこそデル・トロさんの意識・無意識にある無尽蔵の映画の血がぎゅうぎゅうに詰まってるわけで、「アメリ」もその一本なのかも知れませんね。
塚本

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