YUMiC

シェイプ・オブ・ウォーターのYUMiCのレビュー・感想・評価

4.2
2018.09.10 @DVD

研究機関に囚われていた
人間のようで魚の形をした
未知の生物と声を失った2人の愛の物語。

パッケージからして
正直この作品はどうなんだ。と
疑ってかかっていた。
ましてや人間と変な生き物との愛の話。
もはや私の脳の理解の領域を越えている。
でもアカデミー賞で賞を
いくつも取った話題の作品。
私的に当たりかハズレか。
そんな怖いものみたさな感覚で手にとってみた。

想像以上に素敵で素晴らしい物語だった。
ストーリーは浮世離れしてる。
でも何故かそれが本当に
あってもいんじゃないかと思わせる。
ファンタジーの中にどっぷり
ハマり込めるからなのか。
でも何故かよくある
ザッツファンタジー映画のように
ファンタジーを感じるわけでもない。

現実と非現実的のちょうどいい
境目なのかもしれない。
時代はレトロな昔が舞台だし、
主人公の生活はいかにもリアリティがある。
でもそこに奇妙な生物が入り込んでも
それを違和感とさせない。
不思議な映画だった。
うまく何がこんなにも絶妙なバランスで
パズルとして組み合わされているんだろう。
見終わった後にそんな凄さを感じた。

物語としては凄く素敵で
ただただ純粋だった。
この映画でこの2人の恋愛感情が
違和感なく感じるのは
きっと2人が凄く純粋で
ただお互いを必要として成り立っているから
言葉を交わすわけでもないけれど、
何故か微笑ましくて応援したくなる。

孤独な2人がお互いの孤独を分かち合い、
理解し合い、それは言葉や種族をも越える。
愛はいつ、どの世の中でも
自由であり、越えられないものなどない。

どんな形であれ、
お互いが惹かれ合い、想いが交わせるなら
誰もそれを遮る権利などないんだということ。
この映画を見たら、
この世の中に存在する
同性愛などを否定する意見など
甚だおかしくさえ感じるくらい。
そんなことを強く思い、
見終わって心が暖かくなった。

マイケルシャノンの
悪役さぶりは本当嫌気がする程嫌だったけど。
でもそれ以外の人がいい人なので
そこも素敵だったと感じる要因。
ゼルダ役の人は相変わらず最高に好き。
半魚人が意外と顔が綺麗な顔。
最初はなんだ、この生き物は…と
思うけど、見ていると美しい。

そして何より、時代が最高にお洒落。
街並み、建物、部屋、車、音楽。
どれも最高にレトロでよかった。
YUMiC

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