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シェイプ・オブ・ウォーターのMOCOのレビュー・感想・評価

2.0
「私たちは何もできやしない。すまないな、こいつは人間ですらない」
「もし私たちが何もしなかったら、私たちも人間じゃない」

「人間ではない不思議な 生き物」と肉体関係になるなんて考えられません。
 それも絶対嫌なのですが、焼いたさんまや鯉の口にキスするくらいならまだ出来たとしても、活きているさんまや鯉にキスすることは出来ません。生臭そうな息やヌメヌメとした質感を想像すると、考えられません。
 まして半魚人や類似する不思議な生物と性行為なんて悪趣味の変態としか思えません・・・。

 ギレルモ・デル・トロ監督の映像は常に美しく、特撮も素晴らしく、何故か引き付けられるのですが、大抵ストーリーのどこかに受け入れ難いものがあり、全体の価値を急落させてしまいます。今回はこの考えられない肉体関係がそれです。そのシーンからガッカリでした。『E.T.』の様な描きかたはできなかったのでしょうか?

 沢山受賞をしている作品をとやかく言うのは愚かなのかもしれませんが、大人のラブストーリー=肉体関係?なのでしょうか。もっと違う大人の関係が見たかった気がします。

 この映画は業界の評価が高すぎます。オスカーがここまで評価する事が不思議な映画です。
そもそも種族を越えて性行為に及ぶなど禁忌(タブー)なのです。作品としてはもっと評価が別れても良いと思うのですが、何故か評論家がこぞって高評価するものだからTVのワイドショーのMCもべた褒めなのです。

 ノスタルジックな映像美と造形美は素晴らしく、美術賞は納得です、そこに評価が集中すべき作品です。特に「人間ではない不思議な生き物」の造形美は素晴らしく、子供の頃に観て強烈なインパクトがあったTVウルトラQの半魚人「ラゴン」や映画「大アマゾンの半魚人」を上回る凄さですが、この映画は作品賞に値する映画では・・・。
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