シェイプ・オブ・ウォーターの作品情報・感想・評価

シェイプ・オブ・ウォーター2017年製作の映画)

The Shape of Water

上映日:2018年03月01日

製作国:

上映時間:124分

3.8

あらすじ

「シェイプ・オブ・ウォーター」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

色彩が綺麗で飽きずにすっと最後まで見れたが、なぜイライザが彼を好きになったのかが共感できなかった。
あと国の施設なのに、簡単に実験室に入れちゃうのと、簡単に連れ出せちゃうセキュリティーの甘さに冷めてしまった。。
キャデラックが壊れたのは予想できたが良かった
朱音

朱音の感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

極めて独創的、非の打ち所がない、傑作。

圧倒的な密度で作り上げられた世界観。
色相環の補色に位置する緑と赤を基調に、調和のとれた美しい色彩。
美術背景、衣装、車など画面に映るありとあらゆるものがその世界を構築するディテールとなってそこに存在している。
この徹頭徹尾、異常なまでに作り込まれた完璧なヴィジュアルがあればこそ、外連味たっぷりの動きのあるカメラワークにこの上ない心地良さが生まれる。もっと見せてくれ。もっと観ていたい。そういう強い求心力がこの世界観にはある。

水水浸しになった古いアパルトメント、イライザの部屋など、他では味わえない極上のファンタズムを堪能できる。
色彩の美しさは言うに及ばず、ショットの構図、陰影の付け方も実に素晴らしい。


キャラクター1人ひとりに人間味があり、美醜清濁があり非常に興味深い。
それらを説明的ではなく、習慣や癖、嗜好品などの小物に寓意性をもたせて端的に描写している。
とりわけ興味深いのがマイケル・シャノン演じる元軍人のストリックランドというキャラクターで、
トイレに入るなり先ず手を洗い「小便の後に手を洗う奴は軟弱だ」などと言ってのけるエピソードは思わず笑ってしまうが、半魚人に咬みちぎられた薬指と小指は、妻と子を表していて、彼が取り返しのつかない所へ進んでいってしまうに従って腐り、腐臭を放つようになる。
ものにした後はケアしない、いかにもこのキャラクターらしい傲慢さを表している。
また彼は事あるごとにキャンディーを口にする。
彼の言うところの「まとも」なヌガーとかの入ったお菓子ではなく、古臭くてありきたりなそのキャンディーを好むのは、それが彼にとっての自由であるからだ。
米ソ冷戦期において軍役に就いていた彼は全体主義的な風潮に積極的に加担し、その中で「まとも」な人間として認められる事を良しとしてきた。
その彼にとっての最後の抵抗とも言うべきそのキャンディー、マイノリティーや被差別者、弱者達へのシンパシーを無意識のうちに内包しながらも、彼はそのキャンディーをすぐに噛み砕いてしまう。

この矛盾したキャラクターの見事さ。


デル・トロ監督はファンタジーと慈愛に満ちたロマンスの中に、しっかりと現実と冷酷、そしてグロテスクを非常に優れたバランス感覚で描き切る。
半魚人のフォルムをはじめ性的なものや暴力を、容赦なく、生理的に気持ち悪いと感じるギリギリのラインにちゃんと抵触させる事を徹底していて、そこにはデル・トロ監督の独自の人間観や愛、誠意が込められており、故に強烈な実在感と説得力がある。

イライザと半魚人の彼の愛に満ちたセックスと、それとは対照的に描かれるストリックランドと妻の、一方的で乱暴なファックのシーンなど印象的だ。
彼を脱出させる際にホフステトラーが警備員を殺害する場面を見せたりと、単純な善性・悪性、美・醜どちらにも偏らない。

個人的にはもっと性描写に具体性があっても良かったと思う。


イライザは声を発する事が出来ない。
隣人でゲイのジャイルズや、面倒見の良い同僚ゼルダ、彼らもまた同様にマイノリティー的立場にいる、善き人たちである。
友人としてイライザを案じ、親身に接してくれる。
それでもイライザの最奥にある孤独感は決して癒えることはない。
半魚人の彼はそのイライザをありのままに慕ってくる。同様に彼女もまた異形の彼をそのまま受け入れる。
想いを伝える術に乏しい彼女にとって、言葉の不要な彼とのコミュニケーションは他には代え難い、深いところに、救いとなって浸透してきたのだろう。
たとえそれが一方的なものであったとしても。彼女はそれを自覚している。

だからこそのあのラストは奇跡のように美しい。


構成するすべての要素が高度に洗練された最高峰の一作。
2018 44本目

今まで見た映画の中で5本の指に入るなぁって感じやった。
緑と赤の色合いがきれい。
ティール色の小物欲しくなった。
イライザ見たことあるなぁと思ってたらパディントンのお母ちゃんで女優さんの演技に脱帽。
ギレルモ・デル・トロやしもっと鬱々するかと思ってめっちゃ構えてたわ(笑)

卵食べるシーンのイライザがえろかった。
頭まっさらな状態にしてもう一回みたい。

あと車大事にしてたら高い確率で破壊される説あると思う。
「美女と野獣の発想は好きだが、なんで美形の人間に戻るんだ?」と疑問を呈する怪物を愛する男ギレルモ・デル・トロがそのアンサーを提示してオスカー監督になった記念すべき映画です。

60年代という近代化と色濃い差別と古びた権力がごちゃまぜな混沌の時代が、怪物と人間の許されない愛を描く舞台にベストマッチ。
50年代後期から60年代初期の雰囲気を未来的かつ現実的に、そしてかなり監督のファンタジックな感性を加えて再現した美しくモダンアートな世界の作り込みが凄い。

本作における怪物はもちろん半魚人ですが、彼に協力するのは言葉が話せない主人公、同性愛者の同居人、黒人の友達など、社会的に厳しい偏見があった(言い方を選ばなければ半魚人と同じく怪物扱いされていたとも言える)人々。

悪役のストリックランドは常に「完璧で完全」な白人であり、昔の映画なら主人公、ヒーローとして登場していたであろうキャラ設定です。

いわゆる「不完全」とされる人物たちが「完全」である強権的な人物を一丸となって倒すという構成は、一見するとあざといですが、その完全たるストリックランドも負傷や仕事の失敗による「不完全さ」に飲まれ狂気に堕ちていく様子が描かれ、少し同情してしまうキャラに見せているように感じました。

人間と怪物の境界線はどんどん曖昧になっていき、そもそもそんな線引きが愚かしく感じてくる。
完全さは大事なのか?不完全な存在であることは許されないのか?
デル・トロ監督の「怪物愛」はあらゆる「完全でない人々」が対象であり、全てに存在する赦しを与えてくれていると感じました。
MY

MYの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

最後の詩の一節が良い

ところどころ笑わせてくれるジャイルズのお陰で過激な映画ながら最後まで観ることができました

文にできないけど良い映画でした
ラブストーリーってこういうものかなと思います
アカデミー受賞作品って看板で観た作品。

ディズニーのような優しさと音楽。
隙間にあるグロさ。
分かりやすい構図。
全部混ざって、ボクには良い味わい。
非常に良い味わい。
そんな時はよく主演女優が好きになる。笑
素敵な映画でした。
obento

obentoの感想・評価

3.1
憎悪は憎悪をきたす
くな

くなの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

美女と魚人がうんぬんって話かとおもったけどちがった。
思ってたよりこう現代恋愛ものみたいなのではなくレトロでキチキチ?した映画だった。
ずっとヒェーってかんじ。
アカデミー作品賞や監督賞受賞作なので、おおよその話は知ってたけど、まさかこんな話とは思わなかった。

デルトロ監督の作品は初見だったけど、どの作品も、グロテスクな風貌の中に可愛らしい一面がありそうな感想を持った。

見た目で判断せず、心の奥を見つめて暮らしてますか?と言われてる感じ。

主人公のイライザは話す事ができず、隣人のジャイルズはゲイ。そして半魚人。
明確にマイノリティにスポットを当て、成功者のストリックランドを悪役に配役。
監督の意図が伝わる構図で分かりやすい。

個人的には楽しめるというほどでは無かったし、好き嫌いは激しいでしょう。

ただ、悪役ストリックランドを演じるMシャノンは実に憎たらしい上昇志向野郎を見事に体現しており感心。
本当に嫌なヤツで怖いヤツ。怪演!
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