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健児の塔のmhのレビュー・感想・評価

健児の塔(1953年製作の映画)
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その年のナンバーワンヒットとなって倒産の危機にあった東映を救ったといわれている「ひめゆりの塔(1953年1月9日公開)」の姉妹編として企画・期待されて、9ヶ月の後の1953年9月8日公開。
海岸に打ち上げられる対馬丸の残骸からはじまるというふるった展開で期待したんだけど、それ以降、期待の針がはねることはなかった。
動員された女学生からなるひめゆり学徒隊の対をなすかのように、男子学生で結成された鉄血勤皇隊を描くのかと思いきや、もう一回、ひめゆり学徒隊をなぞっていた。むしろひめゆり学徒隊のほうが6くらいの割合。だったら本家をみたいわな。
テンプレ展開が多くて、腕の中で死ぬパターンも何度か繰り返される。乳繰り合ってたから死んだとか、そういうのはいいよ、もう。
「ひめゆりの塔」のほうは、監督今井正×脚本水木洋子のゴールデンコンビで日本の戦争映画マスターピースに数えてもいいくらいのでき。それと比べられちゃうのは不当な気がするけど、これはあまりにも転がりが悪かった。
火薬量がすごいのは「ひめゆりの塔」ゆずりなんだけど、あまり迫力を感じなかったなぁ。
いきなりこれから見るひとはいないと思うけど、まずは「ひめゆりの塔」を見て、それから、「あゝひめゆりの塔(1968)」を見て、この映画の存在はすっかり忘れて、ほかのことをやるべき。
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