たた

born、bone、墓音。のたたのレビュー・感想・評価

born、bone、墓音。(2016年製作の映画)
3.8
亡くなった兄が、照屋監督と同い年で、顔付きに共通点もあるんで、見るたびに思い出してしまってしんみり。

沖縄(本島)生まれの僕ですが風葬は、むかーしそんな風習があったよ~って親から聞いた程度。
そんな親世代でも、きちんと参加した経験のある人は多くないみたいです。
今でも一部では受け継がれているものだとは、「洗骨」を観るまで知らなかった。

琉球神道の根っこにある先祖崇拝の宗教観を、重苦しくなく楽しく、でもしっかりと考えさせてくれる、照屋監督の手腕には脱帽と言うよりも感謝です。

ただ、洗骨の様子をビジュアル面でちゃんと見せる以上、かなりソフトに抑えているんだろうなあとは思います。

親から聞いた程度の話ですが(親自身も誰かから聞いた話だったりする)、実際は3年を待たず順番が来たら墓から出す、って場合もあって、お肉が残ってて匂いが大変なことになってたり、髪の毛が生々しく残ってたり…
なんてことも珍しくなかったようです。

まあ映画でそんなとこ見せたらホラーになりかねないし、そこが主題じゃないのでいいんです。

洗骨の場面は直接見せなくてもテーマは十分伝わりますが、デフォルメしてでも洗骨の所作をちゃんと見せてくれたのは、監督が沖縄の文化やご先祖への思いを未来につなぐために、丁寧に取材をしてこだわって再現したかったのだろうなあと思います。
たた

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