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Oh Lucy!のKUBOのレビュー・感想・評価

Oh Lucy!(2016年製作の映画)
4.5
3月9本目の試写会は「OH LUCY!」完成披露試写会。

この映画、おもしろかった! なにがおもしろいって、洋画の空気の中で日本人俳優が自然に生き生きと演じているからだ。

監督はアメリカ在住の平柳敦子。どういうバックボーンを持った方なのかはわからないが、長編第1作にして、寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里、役所広司にジョシュ・ハートネットという豪華キャスト!

日本人が監督をして、日本人が演じているが、基本、国際規格のインディペンデント作品なので、作品そのものの持つ空気は邦画ではなく「洋画」なのだ。おもしろい!

未婚の40代事務員の節子(寺島しのぶ)。毎日同じことの繰り返しで鬱々とする日々を送っていたが、姪(忽那汐里)に振り回されるような形で英会話教室に行くことになった。講師のジョン(ジョシュ・ハートネット)は節子に金髪のカツラをかぶせ「ルーシー」という英語名をつける。

この英語名、英会話教室に通ったことがある人にはあるあるネタだろう。私が若い頃に通っていた英会話教室でも同じことが行われていた。ただし、金髪のカツラや「ハグ」はなかったけどね。

そして、この「ハグ」の持つ意味が、日本とアメリカでは大きく違うところが本作のポイントにもなっている。インド映画の「マダム・イン・ニューヨーク」でも同様なネタが使われていたが、先進国ぶっていても、日本でいきなりハグしたらセクハラって言われそう。

そして「節子」は「ルーシー」に変わることによって、彼女の人生そのものも大きく変わることになる。東京〜ロサンゼルス〜サンディエゴと、ルーシーは冒険の旅へ。

私は元々「寺島しのぶ」は嫌いな女優なのだが、本作のルーシーの演技は本当に素晴らしかった。また姪役の忽那汐里も、姉役の南果歩も、トム役の役所広司も、ジョン役のジョシュ・ハートネットも、それぞれの個性がぶつかり合い、素晴らしい作品になっている。

上映前の舞台挨拶で監督の平柳敦子さんは、この映画で言いたかったことは「人生に困惑するっていうのも大事じゃないか」ということだとおっしゃっていた。

フランス、アメリカで先行公開し、カンヌをはじめ多くの映画祭に出品され、ついに日本で公開となる本作。キネマ旬報とかだと相当高く評価されるんじゃないかな?

前情報から予想されるようなコメディではない。コメディだけど、かなり痛いコメディだ。私は「邦画」「洋画」の垣根を超えるカルチャーショックを感じました。