ショウコ

オー・ルーシー!のショウコのレビュー・感想・評価

オー・ルーシー!(2017年製作の映画)
3.8
ジョンを探して三千里。英会話講師に惚れた40独身女のロードムービー✈️

日本人だけどアメリカで映画を学んだ女性監督さんの作品だそうな。トレジャーハンタークミコと同じ現象でしょうか…「日本のイタイ中年女」描写に手加減ってもんが無い。やっぱ遠距離からだと反撃を受ける心配が少ないからか攻撃も辛辣ですね

日本という不思議な国と、そこに住んでる人達を鋭く描き出しています。私達には当たり前の光景ですが、こんだけマスク人口が多くコスプレした人が通りを歩いてる日常って改めて考えるとファンタジック。所狭しと並ぶ雑居ビルの怪しい雰囲気も海外から見たら面白いに違いない。それぞれがまるで異世界への入り口の様です🌃

序盤、呼び出されてメイド喫茶に行くんですが、そこで店員やってる姪っ子ちゃんの「私の代わりに英会話教室に行って欲しい。んでその分の金をくれ」という旨の説明でもう監督さん信用できる!って思いましたよ。たぶん私も誰かを丸め込む時はこんな感じで話すと思う。だけでなく言葉選びはどれも素晴らしく自然で心地よい



絵葉書を頼りにアメリカへ渡ってからはカタコトの英語で話すんですけど…これがマジ楽しい!

「アナタノ事ガ好キダカラー」「シャチョーサン」「YOUは何しに日本へ」など、我々はたどたどしく日本語を話す外国人に萌えを感じる。日本語って難しいよねー分かる分かるーなんて言いながら密かに優越感を覚えてたりするのだ😏
でも待てよ…もしかしたら外国人も「中学英語しか話せない日本人」を見ながら似た様な事を思うんじゃないか?という答えを立場を逆転させて見せています。ダイナーの店員の意地悪な対応なんて、ワサビを多めに入れる寿司屋みたいでハッとさせられた

外から見るとこんなに滑稽なんだぜーと鏡を見せつけくる石ツブテはちゃんと的を射ており痛快ですが、ブラックに終始するだけじゃなく希望の持てる話としても綺麗にまとまっています。
「家に籠もるのではなく、足を踏み出し行動する者に未来は開かれる」って事だな🤔

終盤の姪っ子のトンデモ行動は絶対笑う。クツナシオリって読むのか…とても良いですね。演技の上手さは寺島しのぶを喰ってるかも知れない。
あと監督さんの見た目が想像通りで恐くなった。ポカホむにゃむにゃ…
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