誰もが顔見知りの地方を更に凝縮した仮設住宅で父親と暮らす公務員のみゆき。
母親は震災で亡くなり、喪失感から抜け出せない父親はギャンブルに溺れていた。
週末になると高速バスで東京へ向かい、渋谷でデリヘル嬢になるみゆき。
母親を失った直後にも恋人と逢瀬を重ねていた自分に対する自己弁護なのか、贖罪的な気持ちから始めたのかはよく解らない。
ただ、何かしらの衝動がそこから始まって、行きついた先がそれだった。
みゆき自身もその衝動と今の状況を語る言葉を持ち合わせていないかもしれない。
高速バスの3時間はひたすら自問自答だと思う。
自分から迷い込んだ道だから自分自身の中に朧げな解答は出来てる。
ただ誰かに肯定して欲しい。
ただ誰が認めて欲しい。
そして大切して欲しい。
そんなところだと思う。
一歩踏み出す意志はあるのだから。
原作読んでからの鑑賞お薦めします。