マーくんパパ

彼女の人生は間違いじゃないのマーくんパパのレビュー・感想・評価

3.8
震災から5年、未だ故郷での生活もままならず心の傷を抱えたまま震災仮設住宅で暮らす人々。農地は汚染され妻を津波にさらわれ補償金で酒やパチンコ通いで過ごす父、市役所勤めの傍ら高速バスで渋谷に向かいデリヘルバイトで閉塞した日常から解き放した週末を過ごす娘みゆき。市役所同僚の新田は東京からのスナックバイト女子大生に無粋にあの日のことを聞かれ言葉に詰まり、放射能で遺骨を埋葬できない公共墓地に老人夫婦を案内し文句を言われ、父母が出て行った家では幼い弟の面倒を1人でみる暮らし。仮設住宅隣の家では介護必要な老女が自殺騒ぎ起こすも長男は命を削っての除染作業で緊急時にも駆けつけられない…。被災地現地での等身大の日常を生々しく描いた作品。誰が悪い訳じゃない、精一杯頑張っているけど希望が生まれない毎日のジレンマが画面を伝う。東京のペットショップで買った子犬1匹が悲しみの癒しになるなら大いに良いではないか頑張れ〜と応援したくなる。