Garu

彼女の人生は間違いじゃないのGaruのレビュー・感想・評価

3.6
福島出身の監督が原作を書いて撮ったことは素晴らしい。

震災の今を描いた作品として色々考えさせられる。
福島の現状や仮設住宅で暮らす人々。様々な悩みや苦しさが描かれている。

物語としては主人公が市役所で勤務する一方で、高速バスに乗り都内でデリヘル場をするという二重生活を軸に、父親と福島そして東京の人々との関係で彼女と人々の苦悩を描く。

決してポップな話ではないし、どうしたらいいのかわからなくなる。
素晴らしい作品だった「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に感情が近いものがあるが、震災と言う事を考えれば全く違うような気もする。

何が正解なのか、どうしてなのか本人しかわからない気持ちが残る。
日本の今、描きにくいデリケートな問題を真っ向から描いた映画だった。

バスやお風呂など瀧内公実さんの美しいシーンは印象的で素敵。
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