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彼女の人生は間違いじゃないのrioのレビュー・感想・評価

3.5
311から9年を経てなお、まだ多数の被災者のかたが仮設住宅にすんでいるというニュースをみた。

仮設住宅で迎える朝、朝食の準備のために米を磨ぐ日常から物語は幕をあける。

父親は震災で妻を亡くしてからパチンコに通いつめるばかりで、田畑を放置し、前を向こうとしない。
主人公はそんな父親に苛立ちながらも、毎食きちんとご飯つくる。

そして、福島から渋谷へ夜行バスに乗り込む。
渋谷の街角のホテルで、耐え難い苦しみを心のずっと奥底に押し沈めながら、明日を生きる糧を、文字通り身を削りながら得ている。

被災しなければ違う未来があったはずなのに。。

震災によって描いていた人生が、日常が、いきなり遮断されたことで様々な人が様々な苦難にあい、もがきながら生きている。

そんななかで、前をむけずにいた父親や、主人公の心にも少しずつ変化がおきる。

主人公たちの心の変化がゆっくり丁寧に描かれていた。
震災の映像も盛り込まれ、改めて災害の大きさ凄まじさをおもった。
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