アズマロルヴァケル

恋のダンクシュート!のアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

恋のダンクシュート!(2016年製作の映画)
3.6
笑いのツボに差がありそうな映画

・あらすじ

プロバスケ選手のライフォンは声のかからない司令塔でベンチに座らされてばかりのバスケ選手。だが偶然落ちた小隕石の欠片を大事に持ったことで監督から試合に出てほしいと声がかかったことでライフォンはブザービートを決めてチームを勝利に導いた。そしてその試合を見た北二高の女子バスケ部顧問シャオユンからある事を依頼される。それは北二高の女子バスケ部の監督になってほしいということだった。北二高は長い間南一高に連敗続きであり、理事長が彼のチームの監督をカネでライフォンを売らせたほどであった。

いざ北二高に来たライフォンだったが、部員は不良少女のホイケイとその子分たち。ライフォンは部員増強をと思い、芸能活動のメイメイ、凄腕ハッカーのウェイホン、義賊のひ孫のディンダン、占いが得意なティエンシーを起用させてライフォンは監督にとして力を注いだのであったが…

・感想
この映画はディーン・フジオカ出演ということもあり、あまり日本では劇場公開されない台湾映画でありながらもディーン・フジオカが出演というだけで劇場未公開としてDVDリリースされた作品です。

しかし、肝心のディーン・フジオカは特別出演のような扱いなのか登場するのは本編から1時間以上かかり、それも相手チームの理事長の息子の役でサブキャラのような役割でした。なのでジャケットや予告編ではデカデカと映っているが、本当ならホイケイや北二高の理事長がジャケットにデカデカとやった方が正しい。

内容としては笑いの要素がやたらとあり、冒頭で主人公がジョブズの格好して出てきたり北二高の新聞部部長シーハンの伯父たちが清掃のおばちゃんやイップマンの弟子、そして主人公の許可なく包茎手術をする医者と様々なバージョンの伯父が登場し、極めてコミカル。

ストーリーはというと、シャオユンが幼少期に出会った運命の人を一途に待った末に出会ったのがライフォンで、そのことがきっかけで監督になり、北二高女子バスケ部が南一高女子バスケ部に勝つと同時にゴールインするというもので、ラブコメでありつつもティエンシーやシーハン、ホイケイといった生徒役のキャラクターを最低限主要人物にはなっているので北二高の全体の雰囲気や他の女子バスケ部員のキャラが薄くなっていてもやや楽しめる程度である。


ただあくまでもお国柄かもしれないが、前半で妙なエロネタやドン引きしそうなネタがあってちょっと引いてしまった。例えばライフォンとシャオユンがホテルで寝る前にライフォンが勃起する際の表現だったり、ティエンシーが大便をした際にウンコが「凶」の文字になっていたりと妙に狙ったところがあったのであれだけは要らないと個人的には思いました。

あとはウーグン・ポー演じるシーハンの伯父たちも果たしているかと言われたら笑いの要素で登場させただけに見えて単純にストーリー部分では全く機能しておらず、全く持って別にそんなシーハンの伯父たちをシーン随所に登場させなくても良かったのではないかと思いました。

しかしながらあくまでもメインは後半だけでしたが、ディーン・フジオカが「モンテ・クリスト伯」や「あさがきた」では見せなかったであろうコミカルな悪役演技は一見の価値ある点やラストシーンで意外なある人物が大活躍を見せる点に関しては一捻りがあったので素晴らしいと思えました。

しかし、最後に理事長がナレーションである事実を語ってから女子バスケ部員の後日談があるのだが、全部ライフォンが理事長に踊らされただけじゃないかと思うと後味は微妙な気持ちになった。責めてライフォンとシャオユンがラブラブになって幕を下ろした方がスッキリした。