ショートムービーながらも重厚感がしっかりあり、見応えのある作品。
少年は、きっとあの後ろ姿を忘れないだろう
雨の匂いのする午後にやってきた、あの夫婦の姿を
亡くなった息子の心臓の移植先の子どもに会いに行く夫婦。
中国が、移植手術した先を明かせるシステムなのかどうか知らないけど、なぜだかそういうことになったことは、まだ幼い移植先の少年のことを考えたら賛否が出そうなお話。
しかし、時間が経っても気持ちにふんぎりのつかないであろう夫婦の静かな悲しみの表現が見事で、どうか、生きている心臓が彼らに生きる気力を与えてくれますようにと私は願っていた。
移植は、誰かの「死」の上で成り立つのではなく、「生」を繋いでいくものなのだと思いたい。
まだあどけない少年の瞳がこのまま真っ直ぐに光続けてくれたのなら、彼らの息子の死にも意味が生まれるのだろう。