木葉

あゝ、荒野 後篇の木葉のレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)
4.3
2021年の重苦しい空気、痛み、リング上でのたぎるような熱量が伝染してくる。
主演2人の競演、脇を固める俳優陣の熱演、カメラワーク、素晴らし過ぎて、涙がとまらなかった。
バリカンことヤンイクチュンから、新次こと菅田将暉へのラブレター。
最後のバリカンと新次の闘い。
この最後の闘いのために、彼らは、役を生きてきた、私は、スクリーンに釘付けになって観ていたと言っても過言ではない。
ヤンイクチュンの寂しそうな表情、菅田将暉の獣のような目が忘れられない。
リング上で拳を交えることでしか繋がれない。拳を握りしめて殴る度に孤独から解放されていく。
僕はここにいる、だから愛して欲しいというバリカンの台詞。
不器用すぎる、まっすぐな想いの伝え方。
身体中に激震が走ったかのよう。
かつて、こんなに切ないラブストーリーを観たことがない。
生きるって、愛って、こんなに切なく、胸が張り裂けそうになるものなのかと。
本物のラブストーリーだった。
木葉

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