きゃん

あゝ、荒野 後篇のきゃんのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)
3.8
ボクシングに出会い、プロボクサーを目指し絆を深めた前編。運命が交錯し、精神的肉体的繋がりを軸とした後編。熱量にただただ圧倒された。

ボクシングのプロデビュー戦を終え、トレーニングに励む毎日を送る新次とバリカン。新次は宿敵である裕二との対戦に闘志を燃やしていた。一方バリカンも大きな決断を下すことに。戦うことでしか繋がることのできない2人の死闘が始まる…

後編は前編よりボクシングの試合が占めていた。新次VS裕二の因縁の戦いは殺気立っていて狂気に満ちていた。新次の何かに憑りつかれたような危ない目も凄かったし、裕二を演じた山田裕貴のギラギラした目も負けてなかった。迷いなく一直線に相手に向かっていく新次と、迷いを抱え新次と真正面からぶつかることで自分の過去にちゃんと向き合う裕二。動物的な新次と人間的な裕二。見応えのある戦いだった。

新次と健二のボクシングを超える死闘は見てられないほどだった。上手く伝えられない思いを拳に込め、ボクシングを通して繋がりを求める。2人とも自分が抱えてきた過去に真正面からぶつかって、生きることにしがみついている。そんなことを感じさせてくれる戦いだった。この戦いに込める健二の思いに涙。ヤン・イクチュンさんの語りがまた深みを与えてくれている。後編は健二の物語だった。ヤン・イクチュンさんも菅田将暉も恐るべし。

前後編見ても自殺防止サークルの必要性はいまいち分からなかったな。。。
きゃん

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