あゝ、荒野 後篇の作品情報・感想・評価

「あゝ、荒野 後篇」に投稿された感想・評価

daiyuuki

daiyuukiの感想・評価

5.0
“片目”こと堀口(ユースケ・サンタマリア)に誘われ、兄貴分の劉輝を半身不随にした裕二(山田裕貴)への復讐を誓ってボクシングを始めた新次(菅田将暉)。やがて試合を重ねて実績を積み上げてゆく。兄貴分の仇の裕二との念願の復讐戦に挑む新次。一方、吃音と赤面対人恐怖症に悩む自分を克服するため、新次と共にボクシングを始めた健二(ヤン・イクチュン)は、そんな新次に対して、正面から戦い繋がりたいという特別な感情を抱くようになる。新次が所属するジムが、取り壊されることになった。やがて、裕二との戦いに挑む新次。一方、バリカンもまた、大きな決断を下すこととなる……。寺山修司の唯一の長編小説を映画化した大作青春映画の後編。
新次の父親が自殺する原因を健二の父親が作っていたことを新次が知ったり、健二が愛憎を抱えた父親と正面から向き合い新次のように強く生きたいと決意したり、新次と健二のお互いの宿命に向き合い戦う友情と宿命的なぶつかり合いの熱いドラマが加速していく。母親や裕二への怒りすらバネにして狂気じみた強さを身に付けていく新次、新次のように憎むことで強くなろうとして新次から離れてがっちりガードして相手を狙いすましたカウンターで倒すファイトスタイルを身に付けていく健二の濃厚な絆が、軸になっていく。内に秘めた野生を新次が爆発させる裕二とのバトル、クライマックスでの渾身を込めたパンチを新次が放ちパンチを命懸けで受け止めることでお互いに繋がろうとする健二の戦うことで繋がろうとし合う壮絶なバトルの生々しい魂のぶつかり合いそのもののボクシングシーン。新次と健二のトレーナー堀口が新次に言うように「自分の宿命に抗わなきゃ、生きることが味気ないだろ」という言葉そのままの渾身で選べない親や社会など理不尽な宿業に抗い戦うことこそが生きることと思える、閉塞感に苦しみ生きるこの時代の若者たちや大人が見るべき傑作青春大作映画です。野生の獣のような菅田将暉、内に秘めた怒りや激情を丁寧に演じたヤン・イクチュンの代表作になったと断言出来る傑作映画です。
nekop

nekopの感想・評価

4.5
大好きだ。まじカッケー。
こんなに集中した映画は久しぶり
ユージとの試合だいぶ長尺やったけど息止めて観てた
菅田将暉の迫力…ただのイケメンとちゃうかった!
あっこ

あっこの感想・評価

3.5
2018.10.13
CS
<私的邦画三部作 急>

左巻きも右巻きも渦であることには違いない。ただ右は開放を、左は内閉のイメージを想起させる。奇しくも二人ともサウスポーではなかったけれど。

遠目には同じに見える片側の渦は人知れず逆行し、点描に帰ると、力強く右へと弧を描き始めた。新次(菅田将暉)を追うように。

宿命に抗い、狂犬のように吠え続ける強烈なエロスは周囲を圧倒し、孤高の域に達した。バリカン(ヤン・イクチュン)もその後光を拝したひとりに過ぎない。過去を追い出すために。昨日でない今日を作り出すために。

その日、リングはさながら神々しい祭壇と化す。古代の艶かしい祭りのように血や汗が飛び、生死は運命の天秤に掛けられる。司祭は二人もあれば十分だ。孤独を囲った男がたがいのそれをぶち壊すように、復讐するように殴り合う。昏睡する意識の中でエロスは死の淵をさまよい、通底する。やがてフラットな世界は姿を消し、人々の生き方が照射される。

それでも殴れ殴れ殴れ殴れ殴れ。死と舞踏した圧巻なエロスは無機質な社会に風穴を穿った。もっとも痛ましい形でこそ雄叫びは高く美しく響く。過日を打てぬ臆病者、気概のないお前にこの眼光は眩しかろう。
後篇もよかった!ひとくせある男同士の熱い青春がさらにヒートアップ。菅田将暉とヤンイクチュンの演技が最高だった。ボクシングに興味はないくせに、あしたのジョーは読破して感銘を受けていて、その感動に似ているかも。
ドラマ完全版で鑑賞
6話ぶっ通しで見た。菅田将暉の演技圧巻
山田裕貴との試合のシーンが凄まじい
濡れ場の必要性は疑問だが色んな要素があって面白い
後編の色々な粗をカバーできる程の勢いが最後まであったと思う。
“中途半端な死体”として生きてきた人達の物語はやはりリングの上に集約されていくんだね。

熱かった。

主演2人も素晴らしいし演じるのも大変だったろうなと思ったけど、ユースケ・サンタマリアらしい胡散臭さも最高だったね。


だんだん途中からバリカン健二がなんだか自分の友達を見てるようでモヤモヤしてきた。もちろん置かれた状況の切実さは違うしボクシングは全く関係ないけど、くすぶり続けた魂の行き場を探すのに今まで散々付き合ってきて若干疲れてきた所だった。
そういう人間臭い泥臭い文脈にはきっと周りも付き合ってくれるはず、と毎回当たり前のように思われても困ってしまう。

そういうタイミングだったこともあり、熱い展開だとは思いながらもバリカン健二の奥底からの魂の叫び(わがまま)に付き合う心の余裕が自分には無かったみたい。
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