あゝ、荒野 後篇の作品情報・感想・評価

あゝ、荒野 後篇2017年製作の映画)

上映日:2017年10月21日

製作国:

上映時間:147分

4.0

あらすじ

荒野ーそこは荒れ果てた地か、希望に満ちた場所なのか。これは、二人の男の運命の物語。 ふとしたきっかけで出会った新次とバリカン。見た目も性格も対照的、だがともに孤独な二人は、ジムのトレーナー・片目とプロボクサーを目指す。おたがいを想う深い絆と友情を育み、それぞれが愛を見つけ、自分を変えようと成長していく彼らは、やがて逃れることのできないある宿命に直面する。幼い新次を捨てた母、バリカンに捨てられた…

荒野ーそこは荒れ果てた地か、希望に満ちた場所なのか。これは、二人の男の運命の物語。 ふとしたきっかけで出会った新次とバリカン。見た目も性格も対照的、だがともに孤独な二人は、ジムのトレーナー・片目とプロボクサーを目指す。おたがいを想う深い絆と友情を育み、それぞれが愛を見つけ、自分を変えようと成長していく彼らは、やがて逃れることのできないある宿命に直面する。幼い新次を捨てた母、バリカンに捨てられた父、過去を捨て新次を愛する芳子、社会を救おうとデモを繰り広げる大学生たち・・・2021年、ネオンの荒野・新宿で、もがきながらも心の空白を埋めようと生きる二人の男の絆と、彼らを取り巻く人々との人間模様を描く、せつなくも苛烈な刹那の青春物語。

「あゝ、荒野 後篇」に投稿された感想・評価

嵐子

嵐子の感想・評価

5.0
ほんとに良い映画!
ラストは息ができなくなる。心の臓から苦しくなる、引き込まれる、熱くなる映画でした。
martha

marthaの感想・評価

4.3
(前編鑑賞)
「すいません」を数える。夢でも、起きていても、殴られながらも、「すいません」を繰り返す。そんな人生は肩へ沈みこみ脇腹へ食い込み、足の裏にめり込む。透明な、湧き水みたいな男を前にして、自分の周りだけが淀む原因を探ろうとしても、それを鉛筆で撫で、殴って殴って抱きしめても声だけは出ず。声だけは出てくれず。
どうせなら、この男と一緒に声を出して泣きたい。背中に汗を垂らし、血塗れになりながら泣きたい。結末は知っていても負けるなと叫びたい。何故なら彼が画面の中で、皆の代わりに泣いてくれるから。生きるのは怖いと叫んでくれるから。


(後編鑑賞)

時々、紙の端で指を切ることがある。すーっと入った傷を見てそわそわする。その見えないくらいの線からじわっと血が滲むと鼓動が一気に速くなり、耳の後ろに熱が溜まる。
"生きている"と感じることが、もし痛みを伴うことだとしたら。"誰かと繋がる"ことは快楽や温かさではなく、痛みだとしたら。痛みでしか繋がることが出来ないのなら。
自分に無いものを全て持った男と繋がろうとする時、私もバリカンが見出した道を泣きながら選ぶのかもしれない。
原作を読んだ時の衝撃はもっとさらっとしたものだった。新次はそれこそ痛みの知らない男だったし、彼の恨みや憎しみは映画の新次とはまた種類の違ったものだったようにも思う。だからそこに漬け込んだように思えた。原作の中のバリカンは、バリカン単体で生きていた。死ぬことが先行していたように思う。
私はヤンイクチュンが演じたバリカンが好きだ。あの盛り上がった肩にこの世の全孤独を背負い、いつも何かに怯え、でもそれらを払拭しようとする強さを持つ。目の奥から手の甲の皮膚までがバリカンだった。寂しくて寂しくて理由もなく泣けた。立ちすくむバリカンや、笑うバリカン、見てるだけで寂しかった。
新次は菅田将暉によって原作の新次よりも情を含み、泣いたり喚いたり憤ったりした。内側で爆発した感情が時々というよりは屡々、外側でも破裂する様は何ていうか美しくて、私は菅田将暉がタイプだと言いながら彼の演技はほとんど見たことがなかったから、あゝ荒野を観ることができたことを素直に嬉しく思う。思わず出る吠えや、乱暴ながら指先が表現する優しさも、下品で粗暴な愛情も彼の演技は見事だった。

愛されたいと願う人間がこの映画にはちゃんといた。誰もそれを放棄することなく、きちんと向き合っているからこそ、彼らの抱える孤独は格好良かった。びしょびしょになったりボロボロになったり、怒りや憎しみを叫んだりすることは格好悪いことなんかじゃない。

映画が原作よりもあったかいものになるなんて誰が想像したろうか。寺山修司が観たらなんと言うか、「そうじゃないよ」と言うか、「なるほどね」と言うか。

ラストのバリカンのカウントが、死へのカウントでなくなっていたから、私は何だかホッとした。「二」であるか「夫」であるかはもう、さほど重要ではない。
ネコ子

ネコ子の感想・評価

4.5
《戦う》勝ち負けを争う。
《闘う》困難などを克服しようとする。

どんな状況に置かれていても、今を生きてる以上《戦い/闘い》は終わらない。
その対象は、自分自身なのかも?

のほほんと観ていた前篇から一変、生命力の強さを感じた後篇。ラストの熱い試合ではいろんなことを考えながら観ました。人と人とのぶつかり合いで生まれる"何か"。

自分の殻に閉じこもりがちな人に何らかのヒントを与えてくれる物語でした。前篇と後篇。明と暗。おもしろかったです!

あえて、細かいことを言うならば…
時代設定は東京オリンピック後の2021年と2022年・新宿。だけど、誰ひとりスマホを使ってない。写真や動画を撮る手段としてあるだけみたいな。当然SNSなんて誰も利用してないし…。あまりにもアナログすぎる彼らの行動に疑問を持たざるを得ないけど、まぁそこは。😊
ReN

ReNの感想・評価

4.1
U-NEXTにて鑑賞したが、Blu-rayにて再鑑賞。

当時のATG(アートシアターギルド)作品のような作品で、近年の邦画では間違いなく傑作だと思う。
現代の邦画では描かれなかった商法で手がかけれており人間における生と死、肉体の破壊や血と骨、それを生々しくギュッと濃縮されて詰め込まれたドラマ。
久々に骨のある邦画を見た気がする。

が、菅田将暉は好きではない。
takandro

takandroの感想・評価

3.6
宮崎映画祭
後半の巻き返しもなく最悪。とりあえず画面いっぱいにヒロインの変な顔映すの辛すぎ。原作知らないけど伏線ばらまいてテキトーに回収したり放っておいたりするのどうなの?菅田将暉、どの映画でも唸ってるの気のせい?
noon

noonの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ようやく後編を観ました。観てよかった。

殺してやりたいほど憎んでいた相手にようやくボクシングで挑むことを許され、その闘いに勝利したにもかかわらず、憎んだ相手を倒しても何も変わることはなく、腑抜けのようになったシンジ。
いつも自分の一歩先を行く弟分、シンジのように強くなりたいと願っていたケンジ。シンジから「自分のようにはなれない、自分は自分だし、貴方は貴方だ」と言われて、ようやく自分の力で新しい場所から再スタートを切り、シンジとボクシングで「繋がりたい」という想いを胸に数々の相手を倒し、のし上がっていく。そして、2人の試合が始まる。その白熱した試合には本当に息をのんだし、観ているうちに自然と涙が出てきた。
ケンジはずっと孤独だった。幼い頃、父親によって韓国の母親の元から無理矢理日本へ連れてこられ、父親から暴力を受け、周りの人達も吃りがあるために馬鹿にされ、相手にされなかった。だからずっと誰かと繋がりたかった。誰かと繋がって、自分がここにいることをみんなに知って欲しかった、そしてそんな自分を愛してほしかった。ラストシーンで彼はそれをボクシングを通して実現できたのでないか。たくさんの仲間達が彼らを見守る中、目指してきた相手シンジと闘うことで。
新宿というたくさんの人が行き交う大都会のど真ん中で、ケンジやシンジはもちろん、他の登場人物達もみな荒野にぽつんを取り残されたような孤独の中にいる。ケンジがその孤独から自分の力で抜け出し、繋がっていく様は本当にかっこよかったです。
手広くいろいろ広げた感は否めないけれど、ケンジとシンジの闘いは本当によかった…
だんご

だんごの感想・評価

3.6
前半に比べると収拾がつかなくなっている感。

憎むという感情も、自分が相手と結びつきつながっている意識の裏返しともいえるんだろな。
miru

miruの感想・評価

4.6
やはり無駄な性描写が気になる。
寺山修司を意識しすぎた間違った演出が惜しい。
前編に続き、主演キャスト2人の演技は素晴らしい。
2人が殴り合うシーンは 観ているこちらも魅入って息が荒くなるほどのリアルなものであった。
Masa

Masaの感想・評価

3.5
役者陣は本当に素晴らしいが、
色んな要素を詰め込みすぎて、それぞれ中途半端になってしまった印象。語られている全てのストーリーが宙ぶらりんで終わってしまうのもモヤモヤ。
それが現実なんだ!ということも言えるが、、、
ただ、役者や製作陣の尋常でない熱量が伝わって来るので、それだけでも見る価値あり!
ボクサー二人のギラギラ感が伝わってくる試合シーンも素晴らしい。
seiji

seijiの感想・評価

4.1
前後篇通して菅田将暉の狂いっぷりが素晴らしかった。長編だけど中弛みは感じない。ただ自殺とかデモとか3.11とか枝葉を広げ過ぎな感も……。ラストの2人の闘いは胸が熱くなった。
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