エルサとアナの「ファミリーヒストリー」でした。
かつて、祖父の代で争いが生まれた魔法の森。ある日から不思議な歌声に招かれるようになったエルサは、自身の原点を探すために新たな冒険に旅立ちます。
本作を代表する楽曲「イントゥ・ジ・アンノウン」は思ってたよりも冒頭で披露されたので驚きました。
もっと盛り上がるところで披露されても良かったのではとも思ったり。葛藤を振り切った出発からかなり最高潮のテンションに達してるなぁ、と。
前作ではエルサに備わっていた氷の力については当たり前の前提として描かれていましたが、その力の源泉を辿るという深掘りの仕方で続編が作られました。
姉妹は国を守るために新しい敵と立ち向かうのではなく、国を守るために源流を辿ったのです。
すると、前作では詳しく描けなかった両親の死の原因となった危険な旅に出た理由や、祖父の代が森の先住民族と起こした争いの原因まで明らかになっていきます。
そして、これまで深い靄で隠されていた魔法の森の先住民族とアレンデール王国が共存する方策を探し出すのです。
つまり、前作がエルサの暴走で氷に閉ざされたアレンデール王国の解放なら、今回は過去の先住民族とアレンデール王国の争いに怒った精霊たちによって閉ざされた森の解放。
その二つの国民と民族を繋ぎ止める姉妹の決断には切なくもあり、でも明るい未来も感じさせられました。
物足りなさの原因は真新しさでしょうか。
例えば前作と比較するなら、前作ではディズニープリンセスなのに男とロマンスを描くのではなく姉妹の絆を重視していたり、強い女性が美しい女性像であったり、王子様が悪者だったりとディズニーが長い歴史をかけて築き上げてきたお約束をことごとく覆した斬新さがあったわけです。
今回はそういった真新しさに欠けています。
だから正直に言えば、前作ほどグッとくる展開はありませんでしたが、自然の精霊とか神話をモチーフにしたストーリーは神秘的でしたし、エルサとアナの姉妹の信頼関係を改めて感じるラストでしたし、オラフが前作のエピソードをハイライトで演じるシーンは面白かったです。
森に閉じ込められていてその経緯を知らない中尉が、オラフのハイライトで純粋に驚いたり悲しんだりするのもユニーク。
あとクリストフの３０年ぐらい前のミュージックビデオのようなダサい演出は控えめに言って最高でした。
