けーはち

アナと雪の女王2のけーはちのネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ディズニー初Wプリンセス主人公で超ヒット作の前作アナ雪とは「同じ土俵でやっても仕方ねぇ~!」とばかりに色あいを変えてきた本作。意表をつかれる新機軸で個人的には前作よりも楽しかった。

地水火風のいろんなビジュアルの精霊が出てきて大暴れしまくる等ファンタジー色が強まり、エルサが己の心情を歌って踊りながら夜空に色とりどりの氷の花火が咲いては散るエレクトリカルパレードのような鮮やかな演出、相手に氷をバーンと叩きつけたり氷のソリを作って仲間を逃がすなどのX-MENよろしく能力を生かしたアクションシーン、アナに対するプロポーズの機会が一向に掴めず思い悩むクリストフのMV風のクドクドした演出&クサいギターで失笑させるコメディシーン(歌う本人は至って真剣)や雑学等もべらべらお喋りするオラフなど、とっ散らかした感はあるが多方面でエンタメに振っている。

お話も、深く考えたらワケ分からない点が多々あるが、大筋としては精霊の呼ぶ声に従う(人間界の女王ではなく魔力を持つ精霊に近い自分のルーツを無視しきれない)エルサの行動から物語が発展し、「アナは女王としてクリストフと人間の国を治め、エルサは精霊に近い森で暮らす」と袂を分かつオチ。ただ、それは断絶を意味する事はなく(エルサはいつでも精霊を駆り、愛するアナの元へ馳せ参じるというラストシーン)、自分の能力や資質を押さえつけて無理に一緒にいるより自分が「ありのままに」いられる発展的解消を選んだということなのだ。

アナ雪は「家族愛」の物語だったが、Ⅱではその家族関係も個人個人の変化でまた変化せずにはいられないという物語。永遠に変わらないものはない。だけど、いつまでも思いあうその気持ちがあれば大丈夫。