スキピオ

アナと雪の女王2のスキピオのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.5
<前作と対になっているというが、それ以上ではなく、決定的に爆発力不足>

ダムに象徴される自然や伝統に反する経済合理性の追求や、異種間の対立ばかりの現代社会への批判・メタファーをギリギリの「濃さ」で子供向け作品に織り込んできたという意欲、精霊や巨人と共存する北欧ファンタジー的世界観の追加はアガる。

ただ「姉妹の絆」というテーマで前作において一度綺麗に終わっていた話を無理やり続けている感は否めず、前作に迫る爆発力はなし、常に平熱を超えることはなかった。

エルサとオラフは終盤ああなって、ある意味「スッキリ終わらせにきたか」と思いきや、次回作にがっつり保険をかけたご都合主義的な感じで残念。

続編匂わせは一作目が大ヒットを記録したドル箱作品である以上仕方ないけど。オラフの「命をかけた冒険が定番化?」というセリフが全く笑えない。

「女性は勇ましく自立を求め、男性は情けない」ってのも、結局配慮と類型にはめておけばいいんでしょ的な思惑が透けて見えてきて、飽きてきたな。あと情けなく描かれてばかりの男の立場はなくていいの?そのうちなんとかウォッシュとか言われない?

前作と対になっているっていっても、「それ以上」の何かじゃないんだよな。