愛

アナと雪の女王2の愛のネタバレレビュー・内容・結末

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

曲は前作の方がいいかな
Into the unknown だけインパクトがある感じ
ストレートじゃなくて複雑だったいい意味でも悪い意味でもない

・前作からのストーリー設定
1を見た後に続編が見たいと思う箇所(父と母に何があったのか、エルサの力の理由、アナとクリストフの恋事情とか)をちゃんとストーリー化してくれたのがいいなと思う。
その反面で新しさや進化が加わっていて、見ていて飽きる感じはなかった。

・疑問点
過去の設定がやや複雑で、見た後にきちんと整理しないと理解できない。暗示的なシーンが多いから本当の意味が不確か。
1番気になったのは、エルサの力の意味と第五の精霊について。エルサに力が与えられたのは、森の先住民ノーサルドラの母がアレンデールの父を助けた事で、この二つの集団がまた一つになり森が解放されるという役目を果たすためのもの、という解釈である。そして、伝説の河であるアートハランはエルサを呼んでいて(今がその時で平和をもたらすため)、その地も氷でできていてエルサのルーツに繋がる場所である。ここで分からなかったのが、エルサ自身が精霊なのか、アートハラン自身もしくは声の主が精霊で父と母にエルサという形で力を与えたのか。つまり、第五の精霊はエルサが生まれる前からいたのか否か。この二つを同じものとして解釈すると少し納得するけど。

もう一つは何のためにエルサがアートハランに行ったのかということ。父母がエルサの力の理由を解明する旅に出たのと同様に、元々はある声がエルサが力を得た理由のカギであると思ったから行く、だったのが、国に危機が起きたことでそれを解決する事もそれに関係あると思い冒険に出た、というものになっている。
だからアートハランでダムについての真実を知り力を得た理由も分かったが、その二つの関係が複雑で理解が難しい。国と森を平和にするためにエルサは力を持った、という事実を知るためにアートハランに行った、という解釈になったが府に落ちるのに時間がかかった。


・ジェンダー的見解
今までの女性が主人公のディズニー映画はプリンセスと王子の恋愛がテーマになっているのが多かったが、近年はアナ雪のような恋愛がメインに描かれないものも増えてきた。
1が分かりやすい例だが、ハンスとアナのような典型的なカップルを描いておいて、真実の愛がなくハンスが裏切った際に、クリストフじゃなくてエルサがアナを助ける人だった。というあくまで家族愛がメインで描かれているのが良い。
いわゆるシンデレラストーリー的概念を無視した愛の物語である。 

2はまた更に進化していて、アナとエルサにみる新しい女性像がある。
エルサをメインとするストーリーと並行して、クリストフとアナの恋の物語も見逃せない。アナはクリストフを愛しているが、話の中ではエルサばかりを気にしており、クリストフがプロポーズをしようとしているのに気がついていない。あくまで2人の恋事情はサイドストーリーであり、重要なのは姉妹愛だというのを象徴している。なおかつクリストフがアナがいないと何も出来ないというやや情けない姿を描く事で、女性は男性に頼って生きるという社会的立場の固定概念を覆している。最終的に2人は結ばれるわけだからめでたしで良い。

一方でエルサの恋愛シーンは一切なく、自分の力とどう向き合うか、大切な人達とどう暮らすかというのが人生においてほぼ全部を占めている感じ。ここでエルサが同性愛者であるとかアセクシュアルかもしれないという予想を立てる事も出来る。しかし、そういったことを敢えて描かないことで、女性にとっての幸せや生きがいは、恋愛や結婚だけでなく、社会における存在意義の自認や家族の愛、自分らしく生きることの大切さなどにもあるのだということを言いたいのではないかと思う。

・エルサとアナの成長
Let it go / into the unknown にみえるエルサの心境の変化。
前者は自分を理解してくれる人がおらず力を抑えて他人や妹とさえも交流を持た無かったが、それをついに解放することで”ありのままに”なるとこに成功、という曲。
後者は自分の力やルーツに関係する何かを感じるが、今の生活や家族を置いてまでそれに従うことはできないとキッパリいいつつ、それを知る事で今まで疑問に思っていた事の答えを知る事が出来るのではないかと思っている曲。
そしてついに一人で立ち向かう事になっても巧みに力を操り進む姿。
この二つを見ても過去のエルサと今のエルサの成長ぶりが分かる。

アナも前作より姉妹愛が増し、何があっても一緒にいるという強い思いを持っている。洞窟のシーンでも自分が正しいと思うことをし、エルサを助ける。
愛