あいすこひ

アナと雪の女王2のあいすこひのレビュー・感想・評価

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)
4.0
キャラクターが魅力的すぎてもはや群像劇のよう

ディズニープリンセスの続編ってかなり久しぶり。リトルマーメイド2とか美女と野獣2とか基本的にあの時代の続編はつまらなかった記憶…。でもこれは良作。

●続編としてふさわしい結末。
エルサが1人で飛び出した時は「コイツ前と何も変わってねーな」ってうんざりしたけど、あの結末になるなら納得。確かに前作の時からエルサはのびのびしていたいタイプでアナは人を放っておけないタイプで、そう考えると、今作の2人は理想的な結末を迎えることができたと思う。
前作からの後付け感がなくて良い続編だった。

●クライマックスが雑すぎる。
前作の無音のクライマックスは緊張感があって良かったからこそ期待してしまった。結末は良かったけど全体的にストーリーが微妙。

●曲がイマイチ。
イントゥジアンノウンはめっちゃ耳に残るし最高の曲だと思う。クリストフの歌も感情が爆発してて良かった。でもそれ以外は前作ほどキャッチーじゃない。前作の曲の爆発力は改めてすごかった。前作と比べずとも今作はどの曲もストーリーの繋ぎの落ち着いた感情表現って感じ。
印象に残らない中途半端な曲がほとんどだった。

●キャラクターをすごく丁寧に描いている。
上記のアナ・エルサの結末はもちろん、クリストフ・スヴェン・オラフも大切に扱われていて良かった。良い意味で全員想像通りで、続編にありがちなキャラクターの突飛な行動がなくて嬉しかった。
オラフがかわいくてニヤける。小さい頃はアナからの雪だるま作ろうって誘いに全然乗らなかったエルサが最後に自分から誘ったのも激アツ。

●きちんと過去と向き合っているのが面白い。
エルサがレットイットゴーのシーンで黒歴史のように目を伏せたり、ハンスは悪者っていう描写が多々あったり、きちんと前作の出来事を踏まえてある。ディズニー映画で「元彼」って言葉をはじめて聞いた気がする(笑)。
そういう意味でもキャラクターを丁寧に大切に描いているなと思った。

●最後に。
前作と比べまくるちょっと嫌な感想になってしまったけど、タイトルを変えずにナンバリングしたということはそういうこと。
1本の映画としては微妙だけど、続編としてはすごく良かった。

●文章にするのは面倒だけど好きなシーンがたくさんあったから箇条書きにする。
・ジェスチャーするエルサかわいい。
・エルサのアクションシーン普通にかっこいい。
・オラフがなんか怪しい新興宗教っぽくなった。
・アナは王道プリンセスなんだなー。
・クリストフのソロ曲めちゃ良い。
・白いドレスのエルサ綺麗。
・炎と風の精霊大したことない。必要?
・てか精霊怒りすぎじゃない?
・水の精霊めっちゃ綺麗。
・水の描写で映像技術の進歩がわかる。
・エルサ1回炎の精霊置いてけぼりにして帰ってわろた。
・アナのノックの仕方が変わってなくて嬉しかった。

【余談】
最近、自分の生き方は自分で決めるぜって感じのメッセージ性が強い映画が多すぎだと思う。アラジン・トイストーリー4に続きアナ雪まで。見てないけどマレフィセント2もそういう映画っぽい。スターウォーズもそう。ディズニーはそういう映画しか作れなくなったのか。
まぁでも個人的には好きなんだけど、なんだかワンパターンに感じる。イマドキの映画があるなら古き良きスタイルの映画もあっていいと思う。
確かに時代とともに映画のスタイルや傾向は変わってるし、こういう自己啓発系(?)の映画が現代のスタイルなんだ、と言う人もいるかもしれない。しかし、ここまで多様性を謳うような現代の映画なら「古き良き」も1つの理想として受け入れるべきではないだろうか。まぁ、排除せず受け入れているからこそ今も頻繁に美女と野獣とかリトルマーメイドがテレビで放送されたり、根強い人気があったりするんだよね。ごめんなさい。ただちょっと、アナ雪もモアナも面白いけど邪道プリンセス過ぎてびっくりしたから、せめてラプンツェルぐらい王道のプリンセス映画作ってほしいなって思って!😋
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