このレビューはネタバレを含みます
映像がとても美しかった。
サバンナの昼も夜もすべてが美しい。
動物の動きや毛並みが本物みたいで、まるでドキュメンタリー映画を観ているようだった。
ヌーの群れのシーンでは、毎回泣いてしまう。
シンバはムファサのことをこの世で一番強い存在だと盲信している幼さが切ない。
ムファサの王位なる余裕が大変かっこよく見えるが、実際には弱い面もたくさんあり、普通のライオンと同じだということが成長したシンバにならよくわかるのだろうと思った。
スカーに突き落とされなかったシンバは、ムファサを越える王になるのかなと思った。
シンバとスカーは、一命をとりとめた後に助けられるか襲われるかが対比になっている。
昔、アニメ版のライオンキングを観たときは、想像力に欠けた無責任なシンバに嫌悪感を抱いたが、大人になって内容を理解しながら改めて観ても、やっぱりシンバには好感が持てない。
ただ、シンバが完璧ではないことを通して、ムファサもまた、完璧ではなかったのかなとわかった。
王は完璧ではないからこそ、歴代の王の存在を確かめながら進む必要があるのだと思った。
子供の頃は、怠け者で悪いやつに見えたプンバとティモンは、改めて見ると最高の友達に見える。
干渉しすぎず、自分のことも相手のこともありのまま受け入れて、変わらずそばにいる優しさ。(なるようにしかならないと思っているから、何もする気がないのもあるが)
子供シンバが「シマウマ食べたいな〜」と無邪気に言うのは可愛かった。
その後、シンバが虫を食べるようになったのは、「輪」から外れたという意味だと思った。
肉を食べない生活は、ライオンにとって物足りないかもしれないけど、「輪」の責任を背負うことはない。
ムファサが空から語りかけるシーンで、シンバのことを誇りに思っていると、シンバの存在を全肯定したのが印象的だった。
こんなに心強い言葉は、他にないと思う。
本当なら、国を守らず遊んで過ごしたシンバは非難されてもおかしくはないのに、ずっと空から見ていたムファサには、罪の意識に苦しむシンバの姿が見えていたんだろうと思った。
自分を過信しなくなったシンバは、ちゃんと成長もしていた。
今回は3D4DXで観られたので満足。
サバンナの風や雨を感じられた。
星空も朝焼けもとても綺麗だった。