ニャーニャット

ライオン・キングのニャーニャットのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(2019年製作の映画)
1.9
飛行機の中で頭使わないやつ観ようと「ゾンビランド」の新作観ようとしたが、字幕も吹き替えもなく断念。仕方なく、2019年に見逃してた「ライオンキング」を観たんだけど、うーん、、これリメイクの必要あったのかなあ、、アニメ版をかろうじて上回っているところといえば、最後のリアリティあるライオンvsハイエナのシーンくらいで、ミュージカルシーンもプンバァとティモンのコミカルなシーンもクライマックスも妙に生々しいキャラクターと抑制された演出が台無しにしてる。

アニメではスカーやハイエナたちがいかにも悪役悪役した見た目だったから覆い隠されていたが、スカーやハイエナたちってそんな悪いことしてるか?っていうそもそもの疑問も浮かんでくる。

弱肉強食の世界を目指すスカーに自分勝手で弱者切り捨てのネオリベ的な思想を暗喩してるのかもしれないが、ムファサの言ってることは計画経済そのものだし、現実のサバンナには狩猟の統制なんかなく、弱肉強食で生態系の均衡を保ってる。
そして、そもそもハイエナたちも対抗勢力とはいえ、ムファサたちからすごい非差別的な対応されてないか?弱者による王政打倒の動きをあんな悪役的に描かなくても…っていうのが正直な気持ちである。王政復興を高らかに喜び讃えて見せられても正直困る。キリンやらゾウやらも、天敵のライオンにひれ伏してる場合じゃねーだろ。ムファサ時代のライオンたちは何を食ってて生きてたんだろか。

シンバが帝王学を身につける過程もそんなフォーカスされてるわけじゃないし、成長譚としても物足りない。スカーも多少年老いてるとはいえ、虫ばっか食ってた軟弱者に喧嘩負けんなよ。ってか、シンバも虫ばっか食っててよくあそこまで大きくなれたな。

リアリティのある絵面を作るために、そもそものスペクタクルとかカタルシスが放置されていて、正直、ジョン・ファヴローはなんの志があってこのリメイクを引き受けたのか理解に苦しむ。