イルーナ

ボヘミアン・ラプソディのイルーナのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.1
誰もが知っている伝説のロックバンド"QUEEN"とそのボーカル、フレディ・マーキュリーの伝記映画。
2018年に日本で公開された作品の中で最大のヒット作。ドルビーアトモスやIMAX・4D・ScreenXといった特別な上映形式がなされたり、各地で応援上映が展開されたりと、音楽映画らしい盛り上がりを見せていたのが記憶に新しいです。

各方面から大絶賛ですが、評判に違わぬ物凄いパワーの作品でした……!劇場にはリアタイで見ていた世代の方が多かったけど、若い人もぜひ。どの曲もお馴染みですが、改めて聴くと本当に全く古さを感じない。
タイトルにもなっている『ボヘミアン・ラプソディ』はまさにジャンルを超越した、永遠の名曲。
『ジョジョの奇妙な冒険』のスタンド名の元ネタとか、レディー・ガガの名前の元ネタとか、その影響力の大きさに改めて驚かされます。

同性愛者、エイズといった話は知っていたのですが、パールシー(インドのゾロアスター教徒)出身という身の上は初耳だった。フレディ、本当にマイノリティを体現したような立場だったんだな……
ゾロアスター教、日本では世界史の授業で「世界最古の一神教」と習う程度で馴染みがないけど、こんな所で身近なつながりがあったとは。

こうした身の上に、成功者ゆえの孤独、メンバーとのすれ違い、悪いプロデューサーにたぶらかされて泥沼に。それらを乗り越えた末の、ライブ・エイド。
今までのストーリーはすべて、この瞬間のためにあったと言っても過言ではないクライマックス。これはもう、ぜひとも音響のいい劇場で観てくれ!って感じです。まるでQUEENの集大成たる、歴史的ライブを体感しているかのような臨場感です。映画の観客も一体となって、このライブに参加できる。本当にこのシーンの高揚感はすさまじいです。

しかし当時の日本の中継、本当に最悪の内容だったんだな。ありえないタイミングでのCM、なぜか日本のミュージシャンが歌っているのを見せつけられる……この映画のテレビ放送では、リアタイで観ていた人たちの怨嗟の声が轟いていました。この映画のおかげで、多少なりとも留飲を下げられたようで何より。

そしてEDの『Don't Stop Me Now』から『The Show Must Go On』の流れ。特に後者は、タイトルもさることながら、制作エピソードを知ると涙なしには聞けません……
文字通り命を燃やして名曲を生み出していたんだな……
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