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ボヘミアン・ラプソディのすんのネタバレレビュー・内容・結末

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

Can anybody find me somebody to love

壮絶なバンド活動そのものが「狂想曲」であるから、Bohemian Rhapsodyなのだろうけど
フレディ・マーキュリーの人生にスポットを当てると、劇中最初に流れるSomebody to Loveの歌詞が異様にしっくりきてしまう、当初このタイトルだったんじゃないかと思えるくらいに。

自分が何者かわかっているはずなのに、自分の中にある親への愛情や、妻への愛情、芽生えるゲイの感情、メンバーとの仲、それぞれに悩まされて、切り捨てて、切り捨てられ、愛が何なのかわからずに孤独になっていく姿が、フレディの行く末を知っている僕らには観ていてとても苦しい。

それでも皆が言うように最後の20分のライブシーンが圧巻で、ホッとさせられる。

いくつかのバンドはある種の奇跡で成り立っている。
わけのわからない実験現場から、だんだん形が見え始めたBohemian Rhapsodyのレコーディング終盤の笑顔、We Will Rock Youの圧倒的なリズム、Another One Bites The Dustのベースライン。
音が鳴った瞬間に、重なった瞬間に、今までのことがどうでもよくなってしまうほどに、その音に惹かれ、曲により繋がっていく。それがクイーンというバンドであり、この映画は(脚色もあるが)その魔法のようなバンド感を存分に発揮した映画だった。


↓ブログに載せた感想

映画『ボヘミアン・ラプソディ』は僕にとって『ボヘミアン・ラプソディ』じゃなかった。

https://www.sun-ahhyo.info/entry/2018/11/11/004413
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