Maki

ボヘミアン・ラプソディのMakiのネタバレレビュー・内容・結末

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

原題:Bohemian Rhapsody
公開:2018年
1回目:劇場2D
2回目:TCX/Dolby Atmos
3回目:4DX
4回目:IMAX

とても素晴らしい。

友情か。愛憎か。熱唱か。熱狂か。
孤独に慄くのか。死力で貫くのか。
終盤。復活。LIVE AID。クイーン。
壮観。圧巻。涙がとまらなかった!
スタッフロールがにじみっぱなし
だなんてああ久しぶりっ(Ω_Ω)クスン



初回。物語の凸凹や紋切り型のデフォルメがよいのかわるいのか。フレディの複雑な出自・生き様・セクシャリティ・コンプレックス・プライド・喪失・哀切・反骨をどこまで描けているかぴんとこないところも。
だがしかし!
だがしかし!
あのLIVE AID。あの凄さ一体なに?
これでもかと強く強くやさしく放つフレディ。彼そのものが歌で声で楽器で音波だ。その全身がウェンブリーの空に穴を開ける。その全霊が衛星放送を掴んで制覇する。渦を巻いて惑星に降り注ぐフレディ。負けじと高く高く押し上げるブライアンとロジャーとジョン。力のリズムと技のメロディライン。スタジアムを揺さぶる無数の無名だが無敵な観客。近くにメアリーやハットン。遠くに家族や愛猫。どこまでもゆける。どこまでもとどく。

あらゆる国の彼があらゆる街の彼女が
虜なれて取り込まれて飲み込まれては
息を呑むのみ。

歌わずにいられない誰もが主役だ。
震えずにいられない誰もが主役だ。
高鳴る音楽!涙がとまらなかった!



●個人的なオマケ
・ドラマ『MR. ROBOT』でオ薬漬け天才ハッカー役のラミ・マレックが 稀代のカリスマ・フレディを演じきっているのに舌を巻いた♪
・同じくラミ。ドラマ『ザ・パシフィック』で凄惨な戦地を生き抜く迷コンビだったジョセフ・マッゼロ(ベースのジョン役)と久久の再競演♪
・ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』では策略・裏工作しまくりのリトル・フィンガー役エイダン・ギレンがこの映画では振り回されっぱなしで哀れな末路のマネージャーを演じてたり♪
・本人はクイーン大好きで自分の映画でボヘミアン・ラプソディ歌うシーンも演ってるマイク・マイヤーズがこの映画ではその曲を認めずにコキ下ろす堅物社長を演じてたり♪

●2回目観て追記
1回目のあとサントラや古い音盤を聴き動画を観て厳しい批判や低評価感想にも目を通しながら…我慢できなくなり。
1回目はしっくりこないと感じたドラマも2回目はすんなり心に落ちてきてウルウル。
Dolby AtmosのLIVE AIDは威力と魔力が倍増!
4DXじゃないのに椅子にしがみつく!
ヤバいこれは中毒。


●3回目観て追記というかTweetの転載
昔…一緒に映画館に行ってた友達。ある映画の途中に急な過呼吸で退席。私も付き添い病院へ。やや治まり帰宅するも真夜中に発作。どうしようもなく救急車を呼んだ。それが彼女のパニック障害との長い長い戦いの初日。
それからバリバリ励んでた本職もあきらめ短時間の派遣に。地下鉄も一駅ずつ降り。何年も苦しんで死にそうな発作も起こして。様々な病院や療法を試してほぼ乗り越えたのほんと頑張ったねって尊敬してる。でも彼女にとって映画館だけは無理なの。どんなに一緒に観たい映画も誘えない。
彼女も映画好きで趣味も近くて…だから寂しくてもあの数年を想えば気軽に云えない。なので自宅に来てくれたときは一緒に楽しめるように画面と音響はそれなりのを揃えた。「IMAXとか半端なく凄いの!」なんて少し冗談で云えるようになってきたけど。劇場で観られるの当然だって想わないようにはしてる。うん。

もしいつか自然と無理なく心が整ったときに再上映してくれてたら一緒に行きたい。

とても素晴らしい。

『ボヘミアン・ラプソディ』

そんな映画。
Maki

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