音楽は人を元気にさせてくれる。凡庸なようだが、この映画にふさわしい。
日本映画では、ライブシーンがしらじらしくてキマりにくいものだが、これは最高に盛り上がる。
「バンドやろうぜ」映画はいくらもあるが、これは音楽映画としても傑作だ。フレディー=マーキュリーを主役にし、クイーンの歴史も語っている。
メンバーが集っていく展開が多くのバンドものの定番だが、そうでなく、主役をフレディにし、それぞれの曲が生まれた背景を紹介していく。
だから、曲すべてで盛り上がる。
出自から、終生ドラマチックなフレディは、性指向がどうであれ天性のアーティストだった。
ブライアン=シンガーは『Xメン』のミュータントにゲイである自身を仮託した監督だけある。
バイセクシュアルなフレディの描き方が巧かった。
バンド・エイドの動画は何度も観ているが、こんな背景があったとは。
最高のシーンだ。
これを観て、イギリスのウェンブリーでの「ライブ・エイド」をYouTubeで観なおした人は、たくさんいるだろう。
「稀有な存在」という言葉が陳腐なほど、フレディはクイーンは輝いている。