あーさん

ボヘミアン・ラプソディのあーさんのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
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公開当初からタイムラインを賑わせていた今作、とても楽しみに、とても心待ちにしていた。

例の20世紀FOXの音楽から"Oh!"となり、掴みはOK!
観終わったら、きっと気分はアゲアゲになると思っていたんだ。。

多分、ドンピシャ世代よりは少し下。
でもQUEENの曲はもちろん、フレディ・マーキュリーのこともある程度は知っていた。
一番好きな曲は"Bohemian Rahpsody"。
初めて聴いた時、→なんだこの摩訶不思議な曲は!?と思った。
遡ればティーンの頃、'薬師丸ひろ子が朝起きてまず聴くのはQUEENの曲'って雑誌に書いてあって、それから気になって聴くようになったんだっけ。

"We Are The Champions"
"We Will Rock You"
"My Best Friend"
"Radio Ga Ga"
"Bicycle Race"…
網羅はしないまでも、ちょいちょい聴いてたなー。

けれど、色んなことを知ってから歌詞の意味を考えながらQUEENの曲を聴くと、とてつもなく切なくて、より深く胸に迫ってくるものを感じた。

フレディがこれほど壮絶な人生を送っていたとは。。

彼がゲイであること、晩年HIVに侵され、亡くなったことも知ってはいた。
でも、知っていただけで何も心に届いてなかったのかもしれない。
実際、曲は好きでもフレディのミュージシャンらしからぬ?"いかにも"な出で立ち(短髪・ヒゲ・タンクトップ…)が苦手でもあったから。。
が、今作で彼の生き様を目の当たりにして、自分の意識の持ち方をすっかり反省させられた。

音楽は素晴らしいし、コミカルな場面、好きな場面もあってたくさん感動もしたのだけれど、、
私は帰り道、悲しくて、フレディ・マーキュリーのことを知らな過ぎた自分が情けなくて、泣いた。

たかが20数年だけれど、今とは隔世の感が否めない。

若い人にはリアルにわからないかもしれないけれど、90年代当時HIVは、感染するとだんだん免疫力がなくなり、やがて死に至ることもある不治の病だと認識されていた。特に男性の同性愛者間でうつりやすいことが確認されていた為、いわれのない差別の対象にもなった。
わからないものには怖がって近づかないのが世の常。
今となっては神経質過ぎる感情も、その頃は当たり前だった。私もその一人。

けど、、今作を観て初めて気づいたんだ。
フレディも本当はメアリーとの愛を貫きたかったんだって。
でも、そうしたら自分の本当の姿に嘘をつくことになる。
だからと言って、カミングアウトした上でメアリーとの関係を解消したくないとフレディが思っても、それではメアリーが自分の心に蓋をして生きていくことになる。
それはお互いにとって幸せとは言えない。
"ゲイをやめることはできないんだ"って、とあるドラマのセリフを思い出した。

ジムとの出会いが、フレディを救った。
メアリーともその後も友情で繋がっていたと知り、少し心が軽くなった。。

バンドのことも書きたいし、ライブシーンの感動ももちろんあるのだけれど、、
とてもではないけれど、一時代を築いた偉大なバンドと、そのフロントマンであるフレディ・マーキュリーの壮絶な人生を、私は一度では受け止めきれない。。


聴きたい曲もたくさん。。
落ち着いたら、ライブをちゃんと味わう為に、もう一度観に行こうと思っている。


私はまだ、QUEENの入り口に立ったばかりだ!!




*ちょっと気になった点をコメント欄に…
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