しんご

ボヘミアン・ラプソディのしんごのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.6
劇場で鼻水まで出るほど泣いた作品は久しぶりです。自伝映画でここまでの高評価が気になり観賞したけど期待を裏切らない名作でした。

実話に基づくのでストーリーが意表をつく訳ではないんだけど、とにかく観客のエモーションに訴える演出が序盤から小波の様に押し寄せて来るのがたまらない。埋められない孤独、仲間との確執、当時理解の得られなかったLGBTとエイズを通じたフレディの生涯は波乱の一言に尽きる。そんな鬱屈した全ての感情を音楽にぶつける自称「音楽の娼婦」のフレディのパフォーマンスはまさに「魂の燃焼」と言うべきで否応なしに胸が熱くなる。「僕は自分を悲劇のヒーローと思うつもりはない。自分が何者かは自分で決める」とメンバーに語る終盤のシーンでもう涙腺が。

そんな風に観客の涙を溜めて溜めて...からのラストのLIVE AIDシーンの迫力たるや。フレディの今までの人生を辿る様に展開される「Bohemian Rhapsody」「Radio Ga Ga」「We Are The Champions」に呼応する様に涙と鼻水が滝の様に溢れた。

たかが音楽がいかに人生に影響を与えるかを再認識させてくれる作品。Dolby Atmosでの観賞をお薦めします。
しんご

しんご