セッキー

ボヘミアン・ラプソディのセッキーのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
5.0
★★★★★:感動
★★★★★:音楽
★★★★☆:ドラマ

<見どころ>
■音楽が生まれる瞬間を目撃
「We Will Rock You」「地獄へ道連れ」など、音楽が生まれる瞬間の高揚感と幸福感が味わえます。特に「ボヘミアン・ラプソディ」が良い。この曲はロックにオペラと物語性を取り入れた
画期的な構成を持つ曲で、コーラスを何度もオーバーダビングしたり色々な音を試す、制作過程がとてもコミカルで多幸感に満ちていて楽しい。当時酷評されたこの曲は、今では歴史に残る名曲。
見ていてまるで偉大な瞬間に立ち会えたかのようでした。

■差別や偏見と戦う
 この映画はLGBTなどのセクシャル・マイノリティに限らずい自由にあるがままに生きたいと願い、周りの無理解や非難と戦う全ての人に向けられた応援歌でもありました。
劇中にマレーネ・ディートリヒのポートレートが何度もでてきますが、彼女は保守的な時代において男装をしたり、演技で女性にキスをしたりと型破りな存在でした。そんな彼女のポートレートはLGBTを勇気付けるアイコンになっています。
フレディ・マーキュリーも彼女のように勇気を与える存在であることは言うまでもありません。

■映画史上最高のライブシーン
 ライブエイドでの20分間のライブシーンの再現度がものすごく、世界を変えるほどの音楽の力に陶然と熱狂しました。また話自体がこのライブシーンに集約するようにできており、音楽と物語のカタルシスが合致する、他に類を見ない感動的なラストになっていました。そのピークに達するのが「We are the Champions」。感涙です。
この映画はリアルタイムじゃない世代はクイーンの凄さを体験し、リアルタイム世代は再解釈ができるようになっています。

<感想>
 ミュージシャンの隆盛と崩壊、再生を描いた伝記映画は沢山あります。
例えばレイ・チャールズの「レイ」、JBの「ジャームズ・ブラウン最高のソウルを持つ男」、ジョニー・キャッシュの「ウォーク・ザ・ライン」など良い作品は沢山ありますが、今作ほど、音楽の凄さを味わえて、また“自分らしく生きるための勇気”を与えてくれる映画はありません。負けない人、戦い続ける人こそがチャンピオンなんだと思いました。
大傑作です。見事にRockされてしまいました。
セッキー

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