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ボヘミアン・ラプソディのマッシーのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.1
 クイーンファンです。最高のボーカリストはフレディです。ブライアンもロジャーもディーコンのプレイも大好きです。その俺が見て、面白くないはずがありません。冒頭のレッドスペシャルファンファーレから鷲掴み!若きフレディ青年に胸が熱くなり、フレディーが入る前のスマイルのステージのブライアンとロジャー。クイーン結成に立ち会えることの幸せなこと、、トレードマークのフレディマイクの誕生の瞬間。ボヘミアンラプソディのレコーディングにも立ち会える。夢のような一時。最後のライブエイドは、自分がスタッフの一人になったかのような体験だ。凄い高揚感に満たされた。フレディーのあの動きも本人そのものだし、歌もフレディーが本当に歌ってるみたいに聞こえる。演奏シーン素晴らしすぎる。
 しかし、映画としてどうかというと、、ん、、どうだろうねえ。ドラマの部分。キャラも脚本も弱い。フレディ、それほど魅力的でないし。出っ歯すぎ。彼のとてつもない音楽的才能も感じられない。メアリーとの恋愛パートはかなりつまらない。クイーンのメンバーも特にドラマに絡んでこないし。ブライアンは似すぎて、もう本人って感じだけど、本人がただ居るって感じだし。ロジャーのガリレオーはよかった。ロック史に残る名ベースリフでメンバーを黙らせるディーコンは鳥肌!そしてゲイパートはパーティばっかの悪いイメージだし、いいゲイのジムは普通のおじさんなのに救いの神に見えるのは斬新!って思ったけど、悪いゲイのポールと見た目が似ててキャラ弱い。フレディの苦悩も、記者会見の追い詰められるとこよかったけど、後二つ三つ、何か欲しかった。

 家族のシーンはよかった。インド人でイギリスに逃れてきたバルサラ家。同性愛を認められない両親。インド人であることから逃れたいフレディ。一緒にいることの気まずい空気。それでも親に愛されたい。善きこと〜の教えで父と抱き合うシーンは見事だ。ステージから母親に送るキス。ここではボヘミアンラプソディが、インド人の母親への告白。家族であるクイーンのメンバーとの別れ。エイズで死に行く運命として歌われているようで、神がかっていた。実際はフレディがエイズを知ったのはライブエイドの後だそうだが、この脚色は素晴らしいね。
 他の楽曲、ドントストップミーナウ、ウイーアーザチャンピオン、サンバディトウラブ、エンドロールのショウマストゴーオンまで、フレディの心情をクイーンの曲でつないでいくというところがすごく面白い。伝記映画だからドラマ&キャラ部分はどうしても弱いので、もう全体的に作り物っぽい感じにして、もっとミュージカル的なマジカルな演出にしてもクイーンらしくてよかったかも。
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