じゅーけん

ボヘミアン・ラプソディのじゅーけんのレビュー・感想・評価

ボヘミアン・ラプソディ(2018年製作の映画)
4.8
伝説のロックバンド「QUEEN」の誕生から栄光までの軌跡を描いた物語。
ここまでのスコアを付けてしまって、もっと良い作品が出てきたらどうしようと不安になる程に、私の心を撃ち抜いた作品となった。



ロック少年だった私は、予告編を見て非常に待ちわびていた作品である。


しかし!
実は私は「QUEEN」を知らない。

正確に言えば、QUEENというグループ名は知っている。
フレディ・マーキュリーという人の名前も知っている。
しかし、フレディ・マーキュリーがQUEENのボーカルということは知らなかった。

BOOWYに魅入られ布袋寅泰に憧れたギター少年ではあったが、言葉の壁のせいか、洋楽はほとんど聴かなかった。(←この時点でエセなロック野郎の感じではあるが…)


この程度の知識しかない、と思って観始めたのだが、聴き覚えのあるフレーズ、聴き馴染みのあるメロディが次々と流れてくる。

「この曲、QUEENだったのか!」
「え?これもQUEENだったの?」

テレビやラジオ、街角のBGMなど、いろんなところで聞こえていたであろう楽曲の中にQUEENが多かったことに驚かされた。
容姿も名前も知らないが、このメロディは知っている。このフレーズは聞いたことがある。
知らないうちに知っている。
これこそ名曲。それも何曲も。
QUEENが伝説たる理由の片鱗を感じさせられました。


作品としては、QUEENの軌跡をフレディ視点から追った構成。

名曲で綴られた彼らの物語はエキセントリックに、華々しく描かれている反面、フレディの人生では輝かしい栄光に比例するように大きくなる彼の苦悩を対比的に表現されており、苦悩の果てに辿り着いた答えは「QUEENという歯車」をどう動かしていくのか…そんなヒューマンドラマが映画作品として深みのある物語に仕上げていました。


さて、この作品の素晴らしさは「ライブシーンの再現度の高さ」無くして語れない。
この映画を観た後、クライマックスシーンでもあった「ライブ・エイド」の動画をYouTubeで探して観たとき、鳥肌が立った。

「あれ?これは、映画のプロモーション映像だったかな?」

と思ってしまったくらいにそのまんまなのだ。
セットや衣装はもちろんだが、メンバーの動きやしぐさが、腕の振りから足の運び、身のこなしに至るまで完璧に再現されていた。
演じているのではなく、容姿も含めもはや乗り移っているかの如くQUEENそのものだった。


QUEENを知らない私が、ライブシーンでQUEENに魅了され、物語を知る程に彼らの魅力も感じた。

名曲誕生秘話も含め、輝かしい栄光の陰に秘められた彼らの苦悩など、この作品には「QUEENの真実」がある。
ファンの人も、そうでない人も、存分にQUEENを楽しめる作品に仕上がっています。

ここに甦った「ホンモノのQUEEN」を是非ご堪能あれ!


※最初の最初、20世紀FOXのファンファーレがギターに奏でられているところなど、ホントに細かく作り込まれていることに、思わずニヤけてしまいました(^_^)